■執筆者/専門家
・けあぷろかれっじ 代表 ・NPO法人JINZEM 監事 介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士『介護福祉は究極のサービス業』 私たちは、障がいや疾患を持ちながらも、その身を委ねてくださっているご利用者やご家族の想いに対し、人生の総仕上げの瞬間に介入するという、責任と覚悟をもって向き合うことが必要だと感じています。 目の前のご利用者に『生ききって』頂く。 私たち介護職と出会ったことで、より良き人生の総仕上げを迎えて頂ける為のサポートをさせていただく事が、私たちに課せられた使命だと思っています。
ハロウィンは多くの施設で取り入れられている季節のイベントとなっており、地域の保育園や小学校などと協力して開催する事業所も増えてきました。仮装した子どもたちがダンスや歌を披露してくれることで、ご利用者さんの表情も自然と笑顔になります。
私の施設では、少し視点を変えたハロウィン行事を開催しています。今回は、実際の経験をもとにイベントの企画から運営までを、皆さんの事業所の参考になるようにご紹介します。
高齢者が主役のハロウィン~魔女になって地域の子どもたちをおもてなし~
具体的には、ご利用者さんがユニットやフロアで待機し、子どもたちが訪問する形です。「トリック・オア・トリート!」の掛け声とともに扉を開けると、そこには魔女の仮装をしたご利用者さんたちが…。
イベントそのものも楽しいですが、この企画の価値はそれだけではありません。イベント終了後には、子どもたちや先生方がご利用者の皆さんへ「楽しかった」「ありがとう」と直接声をかけてくれることで、子どもたちを楽しませることができたという達成感を得られるのではと期待しています。
ハロウィンイベントを行う意義
ご利用者さんも仮装して子どもたちを喜ばせることで、達成感や自己肯定感を実感していただきたい。また、社会の一員として強みを発揮できることを感じていただきたい。
2.地域との交流
近隣の保育園・幼稚園との連携によって、世代間のつながりが生まれる。
3.非日常の体験
衣装、装飾、子どもたちの笑顔が、ご利用者の感情を豊かに引き出し、日常の生活に彩りを加える。
このように、普段とは異なる空間で周囲と交流を持つことが、ご利用者さんにとって生きがいを感じ、活力が湧く機会へと繋がるのです。
【実例あり】ハロウィンイベントの概要
・参加者:ご利用者さん(仮装同意者)、保育園児・幼稚園児と先生、職員
・会場:個室またはユニットスペース(安全かつ感染対策に配慮)
【実例あり】当日のタイムテーブル

企画を盛り上げる工夫4つ
2.子どもたちとの優しい交流
3.アレルギー対応
4.ご利用者さんの意思を尊重
■1.魔女の演技を楽しむ
その際に「ふふふ…よく来たね」「お菓子がほしいの?どうしようかしら〜」など、簡単なセリフを用意することがポイントです。
■2.子どもたちとの優しい交流
■3.アレルギー対応
■4.ご利用者さんの意思を尊重
開催の実施については、ご家族にも協力していただきながら、ご本人の意思によって行われる必要があります。ここは十分に配慮と判断が必要です。
振り返りとイベントをケアに活かす

また、職員は参加されたご利用者さんの声や当日の様子を記録し、次年度以降の企画に活かすことで、より質の高い行事運営につなげることができます。
食品を扱う行事での安全対策
10月に入り過ごしやすくなる時期ですが、気の緩みが感染拡大のリスクにつながることもあります。調理レクや料理の提供を含むイベントでは、毎回安全対策を講じる必要があります。
■食中毒予防の基本5原則
2.分離
3.加熱
4.冷却・保存
5.再加熱
参照:政府広報オンライン食中毒予防の原則と6つのポイント
■1.清潔
■2.分離
■3.加熱
■4.冷却・保存
■5.再加熱
■冷蔵庫内管理のポイント
また、食材の種類ごとに保存場所を明確に分けることも重要です。野菜・卵・調理済み食品・菓子などの区分をはっきりさせ、冷蔵庫内では上下段を使い分けて保存することで、交差汚染の防止につながります。
■感染症対策と標準予防策
来訪する子どもたちや保育士の方々にも、施設入口での検温と手指消毒をお願いし、感染症予防の意識を共有します。さらに、お菓子は個包装のものを使用するか、トングを使って配布するなど、直接手で触れない工夫を取り入れることで、より安心・安全なイベント運営が可能になります。
最後に:子どもたちを笑顔にすることで、ご利用者さんも活力が湧く
また、ご利用者さんの隣で尊厳と笑顔のある暮らしを支える、かっこよく優しい介護職員の姿を子どもたちにも知ってもらえる機会にもなります。同時に、食中毒や感染症のリスクにも最大限注意を払い、安心・安全のもとで心から楽しめる行事運営を心がけましょう。
■あわせて読みたい記事

介護施設で年末年始にできるイベント|クリスマス会や忘年会の準備のポイントを解説! | ささえるラボ
https://mynavi-kaigo.jp/media/articles/1235年末年始は、クリスマス会や忘年会などさまざまなイベントが行われる時期です。介護施設でもこれらのようなイベントを実施すると、利用者さんたちの活力を高めたり、親睦を深めたりする良い機会になります。この記事では、年末年始のイベントを企画するにあたって準備したいこと、当日取り入れられるレクリエーションなどを紹介します。【執筆者/専門家:後藤 晴紀】

介護施設でできる夏のイベント!七夕や夏祭りの企画方法を紹介します! | ささえるラボ
https://mynavi-kaigo.jp/media/articles/1320暑い日が続きますが、夏といえば七夕や夏祭りなど楽しいイベントも盛りだくさんです。この記事では、介護施設で夏らしいイベントを企画する際のポイントや手順を紹介します。【執筆者/専門家:後藤 晴紀】
・けあぷろかれっじ 代表
・NPO法人JINZEM 監事
介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士