本日のお悩み:久しぶりに介護現場に戻ることが不安
久しぶりに介護職に戻る場合に準備したほうがよいことはありますか。
介護現場復帰への不安と期待
■執筆者/専門家
・けあぷろかれっじ 代表 ・NPO法人JINZEM 監事 介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士 『介護福祉は究極のサービス業』 私たちは、障がいや疾患を持ちながらも、その身を委ねてくださっているご利用者やご家族の想いに対し、人生の総仕上げの瞬間に介入するという、責任と覚悟をもって向き合うことが必要だと感じています。 目の前のご利用者に『生ききって』頂く。 私たち介護職と出会ったことで、より良き人生の総仕上げを迎えて頂ける為のサポートをさせていただく事が、私たちに課せられた使命だと思っています。
私もブランクはありませんが、転職を経験しているので、新しい環境に飛び込むその不安なお気持ち、本当によくわかります。ブランクがあればなおのことですね。
介護福祉士の資格をお持ちで、これまでに培われた経験をもう一度活かしたい。そう思ってくださっていること自体が、本当に素晴らしいことです。
私は普段、介護現場での人材育成や採用、新人教育などに携わっています。 今回は、「潜在的な介護福祉士の方が現場に戻る際に感じる不安や、その準備のポイント」について、私自身の経験や実際の現場の声を交えながらお伝えします。
潜在介護福祉士とは
結婚や出産、育児、介護、体力面の不安、職場環境の問題など、残念ながら様々な理由で現場を離れた方が多くいらっしゃいます。
※参照:厚生労働省 介護福祉士の登録者数の推移
■介護現場の変化と復帰しやすい環境
私の所属する施設でも、こうした改善を積極的に進めており、以前よりもずっと「戻りやすい環境」が整ってきていると実感しています。
潜在介護福祉士が感じやすい不安
2.職場での期待とプレッシャー
3.経験者ゆえのサポート不足への懸念
4.体力面・人間関係への不安
■1.ブランクによる知識・技術への不安
■2.職場での期待とプレッシャー
本人は、新人のように0から働きたいと思っている場合もあるということを、受け入れる事業者側は理解する必要があるでしょう。
■3.経験者ゆえのサポート不足への懸念
私の職場でも、10年以上の経験を持つベテラン職員さんが数年ぶりに復帰される際、「昔みたいに動けるかな」「周りはサポートしてくれるかしら」と不安を口にされていました。
■4.体力面・人間関係への不安
【実例あり】介護現場で潜在介護福祉士に行っているサポート
■現場でのサポート体制
・ご利用者の顔と名前が分かる資料を準備
・シフトごとの業務手順書を用意
・身体介護の手技確認と、ノーリフトケア研修を実施
■入職後の安心ルール
・「分からないことは何度でも聞いてOK」と不安感を受け止めつつ安心できる環境を伝える
・習熟状況を明確にしながら、独り立ちの時期を一緒に決める
このように、「経験者」としてではなく「一緒に思い出しながら働く仲間」として迎えることを大切にしています。
潜在介護福祉士が、復帰前に準備しておきたいこと
・スキル面の準備
・メンタル面の準備
■知識のアップデート
・認知症ケアの考え方(ユマニチュード、BPSD対応など)
・身体介護の新しい技術(ノーリフトケア、福祉用具活用など)
・感染対策・医療連携(標準予防策など)
書籍や厚労省の研修動画、eラーニングなど、無料で学べるコンテンツも豊富にあります。少しでも情報を取り入れておくと、自信を持って復帰に臨めると思います。
■スキル面の準備
■メンタル面の準備
・わからないことは素直に聞く勇気
・「昔はこうだった」よりも「今はこうなっているんだ」と受け入れる柔軟さ
・メモ、質問、相談を積極的に行う意識
人手不足と言われる現場の仲間たちは、「業界に戻ってきてくれた」ことを本当に喜んでいます。経験を自信に変えつつ、ご質問者さんのことを知っていただく姿勢でスタートできれば、自然と職場にも馴染めるでしょう。
潜在介護福祉士が、復帰後に意識したいポイント
■身体の負担を軽くする工夫
また、復帰直後は心身に疲れが溜まりやすいものです。日々のセルフケアもとても大切になります。
■おすすめのセルフケア
・就寝前の軽いストレッチでリラックス
・昼休みに3分だけ目を閉じる
・「完璧より、まぁいっか」と思う心の余裕
・週に1日「自分を甘やかす日」をつくる
努力家な方ほど自分の疲れに気づきにくいものです。焦らず、自身のペースで慣れるようにしていきましょう。
【実例あり】実際に復帰した方の活躍
■10年ぶり復帰の介護福祉士
まさに、これまでに積み上げられてこられた、技術と経験が、現場での実践を通じて、以前の感覚が呼び戻されていったのだと思います。
■子育て後に復帰した方の活躍
復帰の形は人それぞれですが、一歩を踏み出し、行動することで現場は必ず支えてくれるというのが実感です。
復帰を前向きにとらえるために
また、潜在的な介護福祉士の皆さんが持つ国家資格と、これまでのご経験は、超高齢社会を支える人材として、これからますます必要とされていることを知っておきましょう。
最後に:小さな一歩から始める復帰
・研修や勉強を通じて学び直す
・同じ立場の仲間とつながる
など、再び介護のプロとして活躍するための小さな一歩を踏み出してみませんか。
もし迷っているようなら、「短時間・ボランティア・研修受講」など、気軽に始められることから始めてみてください。必ずあなたを待っている利用者さん、そして仲間がいます。
ご質問者さんの復帰を楽しみにしています。ご質問ありがとうございました。
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・けあぷろかれっじ 代表
・NPO法人JINZEM 監事
介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士