本日のお悩み:介護疲れしているご家族にヘルパーができることとは?
もちろん、ヘルパーがやってはいけない範囲のケアもあるとは思いますが、何かできることがあれば教えてください。
支援の中で想像しながら関わっていく
■執筆者/専門家
株式会社ケアサービスひかり 介護福祉士/介護支援専門員 日本ホームヘルパー協会東京都支部 副会長 2000年4月より24時間365日型の訪問介護事業所の管理者・サービス提供責任者として医療的ケア児から障害・高齢者の在宅介護支援に携わっています。 ヘルパーは、利用者の伴走者であり、先導者でもあり、より安全な暮らしができるように生活見守り隊でもあります。ヘルパー自身も生きて活かされるこの魅力ある仕事を発信し、繋ぎたいと奮闘しています。
精神疾患のある利用者さんのご家族と接するとき、ご家族も何となく抑うつ的で覇気がない様子が見られることがあります。何気ない会話をしていたのに、突然心のシャッターを降ろされてコミュニケーションが途切れてしまうことも。ヘルパーなら経験があるかもしれません。
ヘルパーとしてご家族にできること
ヘルパーはあくまでも利用者さんの自立支援のために訪問しています。 利用者さんから打ち明けられたご家族への不満や、内緒にしてと言われた秘め事をダイレクトにご家族へ伝えることは避けた方が良いでしょう。 ヘルパーの一言で、利用者さんとご家族の信頼関係が崩れる可能性があります。
そのような情報は、事業所の管理者やサービス提供責任者に相談し、支援チームとして対応するのも一つの方法です。
■ご家族への声かけのポイント
ご家族にとっても良いヘルパーとして見られたいという思いがゼロでは、良い支援はできませんが、自我欲求は捨て、ご家族には「眠れていますか?」「食欲はありますか?」程度の言葉かけで充分に思いは伝わります。
介護疲れしている家族が抱える苦しみ
家族は、病に苦しむ利用者さんと日々を過ごす中で、二次受傷・代理受傷の状態にあると考えられます。
ほとんどの訪問は、介護保険や障害者総合支援法を利用しての支援となるため、ケアマネジャーや相談支援員が作成したケアプラン、訪問介護計画書、アセスメント情報から具体的な利用者像は見えます。
しかし、家族の本当の思いや関係性はなかなかわかりません。 支援をする中で、利用者さんへの対応や家の中の様子を観察し、「こんな風に思っているのかな」と想像するしかないのが現実です。
最後に:利用者さんの自立した生活力を高めていきましょう
ヘルパーのミッションである自立支援が、両者の安心した平穏な暮らしにつながるのです。
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日本ホームヘルパー協会東京都支部 副会長