本日のお悩み:介護職で退職代行を使うべきか悩んでいる
退職代行という選択に迷うあなたへ―現場と経営、両方を見てきた私から伝えたいこと―
■執筆者/専門家
茨城県介護福祉士会副会長 特別養護老人ホームもくせい施設長 いばらき中央福祉専門学校学校長代行 NPO法人 ちいきの学校 理事 介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント 介護福祉士 社会福祉士 介護支援専門員 MBA(経営学修士)
そんな思いを抱えながら、退職代行の利用を考えている方も多いのではないでしょうか。
近年、退職代行は特別なものではなくなり、自分を守るための1つの手段として認知されるようになりました。
私自身、長年介護現場に関わり、現在は施設を運営する立場にありますが、これまでに1名だけ、退職代行を使って退職した職員を見送った経験があります。今回は、現場・経営の両方を見てきた立場から、退職代行のメリット・デメリットと実体験を通じて感じたこと、本当に大切にしてほしい視点についてお伝えしたいと思います。
退職代行を利用する3つのメリット
■1.精神的負担の軽減
■2.引き止めや感情的なやり取りの回避
■3.心身を守るための早期退職という選択肢
知っておくべきデメリット
■1.人間関係が途切れてしまうリスク
■2.転職時に説明しづらくなる
■3.根本的な問題が解決されない可能性
実際にあった1つのケース
■【実例あり】能力は高いが退職に至った職員
しかし、常に不満を抱えながら働いている印象があり、人間関係では課題を抱えていました。無意識のうちに同僚を見下すような態度が出てしまい、周囲との摩擦が生じていたのです。
それで私は、昇級試験の際に「人との関わり方を見直す努力」を条件として伝えました。能力を否定したわけではなく、組織のことを考えての判断です。ところが、その条件を「自分は認められていない」と受け取ってしまい、次第に無断欠勤が続くようになりました。そして、最終的には退職代行を通じて退職の連絡がきました。
退職代行は“原因”ではなく“結果”
■退職代行に至る心理的プロセス
だからこそ、退職代行を使うかどうかを決める前に、1つだけ考えてほしいことがあります。それは、「自分自身に向き合えたのか?」ということです。
■人間関係断絶という深い代償
最後に:終わりよければすべてよし
これは、途中で失敗しなかった人が勝ち、という意味ではありません。どんなに悩み、迷い、苦しんだとしても、最後に自分で納得できる形で区切りをつけられたなら、その経験は必ず次につながる。そんな意味だと私は思っています。
最近は、アルムナイ採用(退職を卒業という言葉に置き換え、元社員を積極的に雇用する制度)も活発に行われています。退職して別の会社で働いてみたものの、客観的視点で辞めた会社を見た時に、その良さがわかってきた。そう思える人にとっては、とても意義のある方法でしょう。
企業側にとっても、元社員の再雇用には、他社で培った知識や経験を持ち帰ってもらえるメリットがあります。しかし、退職代行では、アルムナイ採用は期待できないかもしれませんね。
■退職代行を選ぶ前に考えたいこと
迷っているというのは、誠実に仕事と向き合ってきた証拠です。どうか、自分の人生にとって納得できる決断をしてください。
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茨城県介護福祉士会副会長
特別養護老人ホームもくせい施設長
いばらき中央福祉専門学校学校長代行
NPO法人 ちいきの学校 理事
介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント
介護福祉士 社会福祉士 介護支援専門員 MBA(経営学修士)