本日のお悩み:日本版DBSによる児童発達支援や放課後等デイサービスの影響は?
日本版DBS(こども性暴力防止法)とは?
■執筆者/専門家
おかげさま社労士事務所 代表 元地域包括支援センター センター長 社会保険労務士、社会福祉士・主任介護支援専門員・介護福祉経営士1級・ ファイナンシャルプランナー2級(AFP)・簿記3級
■2026年12月から施行される新制度
この法律は、性暴力から子どもたちの安全を守るためのもので、2024年6月に成立・公布され、2026年12月25日に施行されます。
■犯罪歴確認だけではない事業者の義務
事業者には、性暴力を未然に防ぐための職場環境の整備や従事者への研修、子どもの日常的な見守り、相談窓口の設置、疑いが生じた場合の調査・保護・支援、確認情報の管理などを、総合的に行うことが求められます。
したがって、児童発達支援や放課後等デイサービスでは、採用時に確認書類を追加するだけでなく、「人事労務管理と日々の支援体制の双方を見直す法改正」として対応する必要があります。
児童発達支援・放課後等デイサービスは義務対象
■義務対象となる障害児福祉サービス
■公立・民間を問わず対応が必要
■まずは自法人のサービス区分を確認しよう
どの職員が確認対象になるのか
■管理者・児童指導員・保育士などの取り扱い
・保育士
・児童指導員
・保育士
・児童発達支援管理責任者
・機能訓練担当職員
・看護職員
・指導員
■「支配性」「継続性」「閉鎖性」が判断基準
業務として反復・継続して接する「継続性」
第三者の目が届きにくい状況で接する可能性がある「閉鎖性」
例えば、送迎時に必ず支援職員が同乗し、運転手が子どもと1対1にならない運用であれば、対象外となる余地があります。反対に、運転手だけで日常的に送迎し、車内で子どもと1対1になる場合は、確認対象となる可能性が高まります。
こうしたことから、対象者をリストアップする際は職種一覧だけで行わず、勤務実態、支援場面、送迎体制までを確認する必要があります。
■パート・アルバイト・派遣職員も確認対象になる場合がある
・アルバイト
・短期雇用
・派遣労働者
・業務受託者
・ボランティア
雇用形態や従事期間だけで判断せず、個別に確認する必要があります。
職員本人にはどのような手続きが生じるのか
■犯罪事実確認はどのように行われるのか
■従事開始前までに確認が必要
■対象となる特定性犯罪とは
・執行猶予判決の確定日から10年
・罰金刑の執行終了から10年
■確認手続きの前に職員へ説明しておくべきこと
犯罪歴が確認されたらただちに解雇されるのか
■即時解雇が認められるわけではない
しかし、犯罪歴が確認されたからといって、即時解雇できるわけではありません。
■まず検討される配置転換や業務変更
雇用契約上、職種や勤務地を限定する合意がある場合は、配置転換に本人の同意が必要になることがあります。賃金や労働時間などの条件変更を伴う場合も、労働契約法上の手続きが問題になる可能性があるでしょう。
■解雇が検討されるケースとは
そのため、事業者側は施行前に
・採用時の誓約書
・内定通知書
・配置転換規定
・懲戒規定
■被害申告があった場合の初動対応
現場で重要なのは「身体接触をなくすこと」ではない
■障害児支援では身体介助が不可欠
■必要な支援と不適切行為の線引きを明確にする
・子どもとの私的なSNS連絡
・説明のない身体接触
・必要性のない一対一の状況
・特定の子どもだけを理由なく担当し続ける行為
■安全な支援のために環境と相談体制を整える
・実施方法
・記録
・複数人で対応すべき場面
・扉やカーテンの扱い
・死角をつくらない工夫
発語や意思表示が難しい子どもにも利用できる相談方法を準備し、保護者に事業所の方針を説明しておくことも大事です。
施行前に事業者が準備すべきこと
■事業者に求められる準備事項
・職員への説明
・就業規則や服務規律の見直し
・採用書類の整備
・相談窓口の設置
・疑いを把握した場合の報告・調査・保護の手順づくり
・職員研修
・犯罪事実確認情報の管理体制の構築
■情報漏えいを防ぐための管理体制を整備する
まとめ
法施行への準備を進めるにあたっては、子どもと保護者の安心だけでなく、職員が支援に集中できる職場づくりについても、しっかりと意識しましょう。
■出典
1.こども家庭庁「こども性暴力防止法」
2.こども家庭庁「こども性暴力防止法について(国民向けリーフレット)」(国民向けリーフレット)
3.こども家庭庁「こども性暴力防止法について(事業者向けリーフレット)」(事業者向けリーフレット)
4.こども家庭庁「こども性暴力防止法について(従事者向けリーフレット)」
5.こども家庭庁「こども性暴力防止法施行ガイドライン」
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