介護の資格は取得する順番が重要?
■執筆者/専門家
工業高校卒業後、ホテルと警備会社の勤務経験を経て、2014年から介護老人保健施設で働き始める。2018年に介護福祉士を取得。その後は、特別養護老人ホームに転職し介護の知見を広げる。難病が発覚したことをきっかけに現場を離れ、介護福祉士ライターに転身。「現場で働く介護士にエールを」をテーマに掲げ活動している。
■自分の経験や状況に合ったスタート地点を選ぼう
そのため順番のセオリーを理解しつつ、自分の今の状況に合ったスタート地点を選ぶのが、キャリア形成の近道といえるでしょう。
迷っている方におすすめの介護資格取得の順番
ここからは、未経験からでも着実にステップアップできる、おすすめの資格取得の順番について解説します。
■1.認知症介護基礎研修
研修で学ぶ具体的な内容や基本情報を、以下の表にまとめました。
受講料は自治体や実施機関によって異なり、3千円前後が目安です。ただし、自治体や補助制度によっては無料になる場合もあります。厚生労働省は事業所による費用負担も想定しているため、勤務先が支払ってくれるケースも少なくありません。
ほかの資格を目指す前の準備段階として、まずは認知症介護基礎研修の修了を目指しましょう。
■2.介護職員初任者研修
詳しいカリキュラムの内容は、以下の通りです。
認知症介護基礎研修を修了した方は、介護職員初任者研修で知識と技能を確実に身につけましょう。
■3.介護福祉士実務者研修
国家資格である介護福祉士になるために避けて通れない研修で、実務経験ルートで国家試験を受験する場合は、3年以上の実務経験に加えて、介護福祉士実務者研修の修了が義務づけられています。
厚生労働省の資料に定められたカリキュラムは、以下の通りです。
450時間と学習量は多いものの、研修を通じて介護の質の向上に直結する学びが得られるでしょう。介護福祉士を目指すかたは、状況に合わせて早めに受講し、国家試験に向けた準備を整えるのがおすすめです。
■4.介護福祉士
「働きながら合格を目指すのは難しそう」と感じる方もいるかもしれませんが、過度に不安を感じる必要はありません。認知症介護基礎研修、介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修と順番にステップを踏んでいけば、確実に専門的な知識・スキルが身に付くからです。
実際の受験をイメージしやすいように、試験の時期や昨年の合格率といった基本情報を表にまとめました。
まずは基礎資格の取得から始め、最終目標である介護福祉士試験に臨めるようにしましょう。
順番に取得する具体的なメリット
順番に説明します。
■1. 基礎から学べるため挫折しにくい
例えば、いきなり介護福祉士実務者研修から資格取得を始めた場合、現場では未経験だった介助の仕方や専門的な知識の多さに、大きな壁を感じるかもしれません。一方、介護職員初任者研修からスタートすれば、基礎知識と実際の業務を結びつけながら、無理なく理解を深められます。
確実なキャリアアップを目指すのであれば、介護職員初任者研修で基礎知識を学ぶところから始めてみましょう。
■2. 着実な給与アップにつながる
以下に、一般的な資格手当の相場をまとめました。
■3. 働きながら国家資格を目指せる
例えば、現場で働きながら、介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修と順を追って修了すれば、資格取得と並行して必要な実務経験を積めます。資格取得のために仕事を辞めて、学校へ通い直す必要もありません。
毎月の収入を確保しながら資格取得を目指したいのであれば、段階的に資格を取得する方法をおすすめします。
介護の資格を働きながら取得するコツ3選
ここでは、仕事と学習を上手に両立させ、着実にステップアップしていくコツを三つ紹介します。
■1.職場の資格取得支援制度を活用する
制度の有無や細かい利用条件は、施設や事業所によって異なりますが、数万円かかる研修の受講料やテキスト代を負担してくれたり、無事に合格した際に報奨金が支給されたりするケースが多く見られます。まずは、就業規則を見たり担当者に詳細を確認したりするとよいでしょう。
利用できる支援制度を有効に活用し、効率的に学習を進めてください。
■2.通信講座や土日・夜間コースを選ぶ
例えば、平日の夜間コースを選べば、仕事帰りにそのまま教室へ向かえます。また、座学を自宅で進められる通信講座を利用すれば、休日の通学日数を最小限に抑えられます。
忙しい日常の中でスキルアップを目指すなら、自分のライフスタイルに合った通いやすいスクールを見つけることが重要です。
■3.職場にシフト調整の協力を得る
スムーズに仕事と両立させるために、以下のポイントも意識してみてください。
受講日程が決まり次第、なるべく早く上司へ伝える
・希望休の申請
通学日や試験当日の休みを具体的に申請する
・周囲との連携
自分が休む日の業務に支障が出ないよう引き継ぎを行う
介護に関連するそのほかの資格
ここでは、現場で生かせる関連資格を三つ紹介します。自分の目標やキャリアプランに合わせて、取得を検討してみてください。
■1.喀痰吸引等研修
研修を修了すると、医師や看護師の指示・連携のもとで、以下のケアができるようになります。
口や鼻の中、気管カニューレの内部にたまった痰を機械で吸い取るケア
・経管栄養
口から食事をとるのが難しい方に対し、胃ろうやチューブなどを通じて直接栄養を送るケア
■2.福祉用具専門相談員
業務内容は、大きく以下の三つに分けられます。
利用者の状態や環境に適した用具を選び、利用計画を立てる
・適合と取扱説明
体に合わせて用具を調整し、安全な使い方を説明する
・訪問確認(モニタリング)
定期的に自宅を訪問し、点検や状況確認を行う
福祉用具の知識を深めたい方は、ぜひ取得を検討してみてください。
■3.介護支援専門員(ケアマネジャー)
業務内容は、大きく以下の三つに分けられます。
・自治体への要介護認定の申請代行
・介護サービス事業者や関係機関との連絡調整
現場で経験を積んだ後の、大きなキャリア目標として見据えておきましょう。
まとめ:自分に合った順番で介護の資格を取得しよう
なお、働きながら学ぶ場合は、一人で抱え込まず、職場の支援制度や柔軟なカリキュラムを持つスクールを活用することが大事です。
資格を持てば、担当できる業務の幅が広がり、将来のキャリアの選択肢も増えます。まずは、今の自分に必要な資格や制度を明確にし、無理のないスケジュールで始めていきましょう。
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