介護資格が多すぎて迷っている方へ
■執筆者
ささえるラボ編集部です。 医療・福祉・介護の仕事にたずさわるみなさまに役立つ情報をお届けします! 「マイナビ医療福祉キャリア」が運営しています。
本記事では、介護関連の資格32種類を整理し、わかりやすく解説していきます。難易度や合格率、受験費用、メリットなどを比較した一覧も紹介するので、最後までお読みいただき、ご自身に合ったキャリアアップのルートを見つける参考にしてください。
●自分がこれから取るべき資格が見えてくる
●資格取得のための助成金制度の活用方法を知ることができる
基本編|介護の入門&王道資格
■1.認知症介護基礎研修
受講方法はeラーニングが基本で、研修時間は約1日(6時間程度)。修了することで、「認知症ケアに必要な基礎知識を身に付けた職員」として現場に入ることができます。
■2.介護職員初任者研修
初任者研修以上の資格を持っていることを条件とする求人も多いので、介護職を始める前に取っておいたほうがよいでしょう。
■3.介護福祉士実務者研修
なお、介護福祉士実務者研修の修了者は、サービス提供責任者になることが可能です。
■4.介護福祉士
介護福祉士の職場は特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、訪問介護事業所、グループホームなど幅広く、職場では身体介護・生活援助のほか、介護計画の作成、新人指導、リーダー業務などの業務を担います。過去5年間の国家試験の合格率は、おおむね70%台で推移しており、しっかりとした試験対策を行えば十分に合格を目指せるでしょう。
キャリアアップ編|経験を積んで給与や評価を高める資格
■5.ケアマネジャー(介護支援専門員)
■受験資格と取得までの流れ
合格率は例年20%前後で推移しており、難易度は高めです。十分な実務経験に加えて、計画的な試験対策が必要になるでしょう。
■6.主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)
■受験資格と取得までの流れ
5年ごとに更新研修が用意されているのも主任ケアマネジャーの特徴で、継続して働くには、有効期限内に主任介護支援専門員更新研修を受講する必要があります。
■7.認定介護福祉士
■受験資格と取得までの流れ
■認定介護福祉士の役割
専門性アップ編|強みをつくる資格
■認知症関連
認知症ケアに関する代表的な資格は、以下のとおりです。
■8.認知症介護実践者研修
■受験資格と取得までの流れ
研修は座学・演習、自施設での実習で構成され、座学・演習では「認知症の理念と倫理」「アセスメントとケアプランの作成手法」などを学びます。一方の実習は座学で学んだアセスメント手法、ケアプランを自身の職場で実践し、レポートを提出する形となっています。ちなみに、すべてのカリキュラムを修了するには、一般的に1〜2カ月ほどの期間が必要です。
上位資格の「実践リーダー研修」や「認知症対応型サービス事業管理者研修」を目指す際の必須要件となるため、専門性を磨きたい方にはおすすめの資格です。
■9.認知症介護実践リーダー研修
■受験資格と取得までの流れ
需要の高い資格であることから、手当の支給やリーダー職・主任職へのキャリアアップにつながるケースが多く、資格取得者には地域全体の認知症ケアの質向上に関わる役割も期待されています。
■10.認知症対応型サービス事業管理者研修
■受験資格と取得までの流れ
経営・マネジメント側へのキャリアチェンジには不可欠な資格となるため、事業所の経営やスタッフのマネジメントに関心のある方は、取得を検討するとよいでしょう。
■11.認知症ケア指導管理士
■受験資格と取得までの流れ
初級の合格率は約60〜70%前後とされており、比較的合格しやすい資格です。一方、上級資格の合格率は10%前後と大きく下がり、難易度が高くなります。しかし、合格すれば、高度な医学的・心理的知識や指導スキルの証明になるため、就職・転職やキャリアアップの場面で大いに役立つでしょう。
■12.認知症ケア専門士
■受験資格と取得までの流れ
認知症ケア専門士の試験は、第1次試験(筆記)と第2次試験(論述)の2段階で行われ、合格率は50%前後とやや高めです。ちなみに、1次試験は「認知症ケアの基礎」「認知症ケアの実際」「認知症ケアにおける社会資源」などの分野から出題されます。
合格すれば、認知症に対する理解力と実践力を証明でき、職場はもちろん利用者やご家族からの信頼にもつながります。
■障害者・障害児支援
障害者・障害児支援関連の資格は以下の通りです。
■13.行動援護従業者養成研修
■受験資格と取得までの流れ
研修は講義(10時間)と演習(14時間)の合計24時間。講義では、「行動援護に関する制度」「障害福祉サービスの仕組み」「知的障害や精神障害の特性」「支援の技術」などについて学びます。
行動援護のサービスを提供するには、原則としてこの研修の修了が求められるため、資格を取得すれば訪問介護、居宅介護事業所などへの就職・転職に役立つでしょう。
■14.同行援護従業者養成研修
■受験資格と取得までの流れ
一般課程には特別な受講要件がなく、合計28時間の講義(「視覚障害者の理解と疾病」「誘導の基本技術」など)と演習を通じて、視覚障害に関する基礎知識や実践的な移動支援の技術を学びます。応用課程は一般課程を修了していることが前提となっており、障害の特性に応じたより実践的な対応力や、関係機関との連携方法などの習得を目指します。
なお、訪問介護事業所などで同行援護の「サービス提供責任者」として配置されるためには、応用課程を修了することが必須要件です。
■15.重度訪問介護従事者養成研修
■受験資格と取得までの流れ
研修は、障害程度区分4・5の方を担当できる基礎課程と、より重度の方(区分6の利用者を含む)への支援ができる追加課程を基本とし、両課程を一体的に受講できる「統合課程」も用意されています。統合課程は喀痰吸引や経管栄養の知識も習得できるため、どれを取得するか迷う場合は、統合課程の受講を検討するとよいでしょう。
統合課程は、講義・演習・実習の全課程(20.5時間)を修了することで修了証が交付され、一般的には数日~1週間で取得可能です。
■16.難病患者等ホームヘルパー養成研修
■受験資格と取得までの流れ
受講要件は課程によって異なり、基礎課程Ⅰでは介護職員初任者研修修了者、IIでは介護福祉士実務者研修修了者が対象となります(介護福祉士の取得者はどちらも受講可能)。
■17.移動支援従事者養成研修
■受験資格と取得までの流れ
この研修を修了すると、移動支援事業所で「ガイドヘルパー」として活動できるようになり、介護職員初任者研修などの資格と組み合わせると、就業先の選択肢がより広がります。
■18.相談支援専門員
■受験資格と取得までの流れ
■19.サービス管理責任者
■受験資格と取得までの流れ
ただし、基礎研修修了後には2年以上の実地訓練(OJT)が必要となるため、実際にサービス管理責任者として配置されるまでには、2年以上の期間を要することになります。
■20.児童発達支援管理責任者
■受験資格と取得までの流れ
また、基礎研修修了後は2年以上のOJTが必要です。
■医療的ケア
■21.喀痰吸引等研修
研修で実施可能になる主な行為は、痰の吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内)と、経管栄養(胃ろう・腸ろう、経鼻経管栄養)で、これらの行為は、本来医療職のみが行えます。そのため、医療的ケアに対応できる人材はニーズが高く、重度障害を持つ方や医療依存度の高い利用者を支える現場で重要な役割を担います。
■受験資格と取得までの流れ
研修期間の目安は、第1号研修と第2号研修が基本研修(約50時間)+実地研修で約1〜3カ月。第3号研修は約8~9時間の基本研修+実地研修で、修了までに通常1~2週間を要します。受講にあたって必要な資格はありませんが、実地研修が含まれるため、働いている介護事業所を通じて受講するのが一般的です。
■環境・食・運動
■22.福祉用具専門相談員
■受験資格と取得までの流れ
■23.福祉住環境コーディネーター
■受験資格と取得までの流れ
福祉住環境コーディネーターの合格率は、3級が40%前後、2級が20〜40%、1級は10〜20%となっており、級が上がるほど難易度が高くなります。試験回によってばらつきがあるものの、2級以上はしっかりとした対策が必要になるでしょう。
■24.介護予防運動指導員
■■受験資格と取得までの流れ
受講には一定の要件があり、初任者研修の修了者で2年以上の実務経験がある人、実務者研修修了者、医療系国家資格を有する人などが対象となります。合格率は公表されていませんが、研修内容を理解していれば合格を目指しやすいとされ、比較的取得しやすい資格とされています。なお、資格取得後は3年ごとの更新が必要です。
■25.レクリエーション介護士
■受験資格と取得までの流れ
■レクリエーション介護士の「マスター」とは
■26.介護食士
■受験資格と取得までの流れ
■27.終末期ケア専門士
■受験資格と取得までの流れ
高齢化が進む日本では看取りの重要性が高まっており、エビデンスに基づいたターミナルケアや意思決定支援、家族へのケアなどの知識・スキルは、現場での高い評価につながるでしょう。
■28.スマート介護士
■受験資格と取得までの流れ
資格は、一般の介護職員に向けたBasic(ベーシック)と、施設管理者、主任クラス向けのExpert(エキスパート)に区分され、いずれのレベルも受験資格や実務経験などは設定されていません。学習期間の目安はBasicで1〜2カ月程度とされており、比較的短期間で取得を目指せます。
この資格を持てば、介護ロボットやICTツールを正しく理解し、使いこなす能力を証明できるため、介護DXに関わる役割を担いやすくなり、評価につながる場合があります。
■事務関係
■29.ケアクラーク®
試験は学科(「介護保険制度の基礎知識」「介護事務の業務知識」など)と、実技(「介護給付費明細書の作成」など)で構成され、受験資格は特に設けられていません。試験が毎月実施されていることから、最短1〜2カ月程度で取得することも可能です。
介護業界は事務職のニーズが高いため、資格取得によって介護報酬請求の専門知識を身に付ければ、就職や転職、キャリアアップなどに役立ちます。
■30.介護事務管理士®
合格率は例年70〜80%程度で推移しており、比較的取得しやすい資格です。受験資格はなく、適切に学習すれば未経験からでも2〜3カ月程度で取得を目指せるでしょう。取得すれば、介護保険制度や介護報酬の仕組みを正しく理解していることの証明になるため、採用時の強みになります。
介護と関連が深い国家資格
■31.社会福祉士
■受験資格と取得までの流れ
少子高齢化が進み、介護・福祉分野におけるさまざまな課題が顕在化する中、社会福祉士の活躍の場は、今後ますます増えていくでしょう。
■32.精神保健福祉士
■受験資格と取得までの流れ
メンタルケアへの需要増加にともなって、精神保健福祉士の活躍の場も広がっており、長く安定して働ける職種の一つとされています。
自分に合ったキャリアを実現するための実践ガイド
■【一目でわかる】32資格比較一覧表<2026年最新>
※受験・受講料:一般的な受験・受講料の相場です。お住まいの自治体や受講形態(通学・通信)、科目免除の有無により金額が異なるため、必ず公式の情報をご確認ください。
※所要期間:標準的な学習ペースや研修期間を想定しています。
※難易度:合格率、試験内容の専門性、受講・受験の要件などを総合的に判断した、当編集部独自の指標です。
※上位資格(上級)が設けられている資格については、比較のしやすさを考慮し、基礎レベルの区分を掲載しています。
迷ったらこれ!ステップアップのための資格の組み合わせ例
ここでは、現場や転職市場で求められる代表的なステップアップ例や、働き方の希望を実現しやすい資格の組み合わせ例を紹介します。将来のキャリアプランを考える際の参考にしてください。
■異業種から介護業界に転職したい
■年収を重視したい
■幅広い現場スキルを身に付けたい
■ルート1
■ルート2
■ワーク・ライフ・バランスを大切にしたい
■ルート1
■ルート2
■ブランクから復職したい
■ルート1
■ルート2
お金で諦めないための助成制度活用術
■制度を使えば資格取得はぐっと身近に
ここでは、介護の資格取得の際に活用できる、代表的な助成制度を紹介します。
■教育訓練給付制度
■特定一般教育訓練給付金
■専門実践教育訓練給付金
※制度を利用するには、受講開始前にハローワークでの手続きが必要になる場合があります。申請時期を逃すと対象外となるため、受講を検討する段階で早めに相談しておくことが大事です。
■資格取得費用の助成制度
■自治体独自の補助制度
制度の詳細は、自治体の公式ホームページに掲載されている情報がもっとも正確なので、興味のある人は公式ホームページで情報を確認してください。
■自立支援教育訓練給付金(ひとり親家庭向け)
対象となる資格には、初任者研修や実務者研修などが含まれる場合もあり、条件を満たせば費用負担を軽減しながら資格取得を目指せるでしょう。なお、利用を検討する際は、お住まいの自治体の窓口で、最新の条件や対象講座を確認することが大事です。
※自治体の助成制度は、年度ごとに内容の変更があるほか、予算上限に達すると受付が終了する場合があります。受講を検討している場合は、早めに自治体の公式情報を確認し、申請条件や時期を押さえておきましょう。
■再就職準備金貸付制度
■資格スクール独自の就職支援・受講料補助
■就職支援(求人・マッチングの活用)も活用しよう
こうした制度や支援を組み合わせると、費用面の不安を抑えながら、無理のない形で資格取得や復職を進めることが可能です。「働きながら学びたい」「復職と並行してスキルを高めたい」といったケースでは、積極的に活用するとよいでしょう。
介護・福祉の資格に関してよくある質問(Q&A)
■Q1.働きながら国家資格を目指すのは難しいですか?
■A
例えば、介護福祉士試験では2026年1月から、科目ごとの合格を一定期間保持できる仕組み(パート合格制度)が導入されました。段階的に合格を目指せるようになったことで、受験の際の心理的・物理的負担は大幅に軽減されるでしょう。長期的な計画を立てられれば、仕事や家事と両立しながらでも、無理なく学習を続けられるはずです。
■Q2.無資格・未経験ですが、まずどの資格を取ればいいですか?
■A
その後は、実務経験を積みながら実務者研修、介護福祉士へと段階的にステップアップしていくのが一般的です。
■Q3.スクールに通わなくても独学で資格は取れますか?
■A
ただし、民間資格にも研修の受講が必要なものがあるので、事前に取得方法を確認しておくことが重要です。
※試験に合格することで取得できる資格については、上記の一覧表に「試験のみ」と記載しています。
■Q4.AIや介護ロボットが普及すると、介護の仕事や資格の価値は下がりますか?
■A
一方で、テクノロジーを活用できる人材の評価が高まっていることも事実なので、介護のスキルとICT関連のスキルを上手に組み合わせて、活動の幅を広げていくのがおすすめです。
■Q5.介護職の資格手当にはどんなものがありますか?
■A
国家資格である介護福祉士を保有している場合に支給されます。施設や法人によって金額は異なりますが、月額5,000円〜20,000円程度が目安とされています。
●ケアマネジャー資格手当
介護支援専門員(ケアマネジャー)資格を取得している場合も手当が支給されます。金額は施設や地域によって異なりますが、月額10,000円前後が目安です。
●初任者研修・実務者研修修了者
施設によっては、初任者研修や実務者研修についても、月額3,000円〜5,000円程度の手当が支給されることがあります。
●専門資格保持者に対する手当
喀痰吸引等研修修了者や認知症ケア専門士など専門性の高い資格を保有している場合も、資格手当が期待できます。
■Q6.40代・50代からでも、ケアマネジャーの資格取得を目指せますか?
■A
■Q7.助成金は一度使うと、他の資格では使えませんか?
■A
※実際の運用や条件は変更される場合があるため、必ず公式情報で確認してください。
まとめ:自分に合った強みを身に付けよう
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