看護助手と介護助手の違いとは?それぞれの役割や仕事内容について解説

看護助手と介護助手の違いとは?それぞれの役割や仕事内容について解説

未経験から介護に関わる仕事への転職を検討しているかたからのお悩みです。介護福祉士や社会福祉士、ケアマネージャーの資格を持つ専門家の後藤晴紀さんに、看護助手と介護助手の違いについて解説していただきました。 【執筆者/専門家:後藤晴紀】


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本日のお悩み:看護助手と介護助手の違いとは

他業種から介護関連の仕事に転職することを検討しています。介護に関わる求人を調べていると、「看護助手」という職種と「介護助手」という職種があるようですが、どんな違いがあるのでしょうか?

はじめに

■執筆者/専門家

後藤 晴紀

https://mynavi-iryofukushi.jp/media/users/9

『介護福祉は究極のサービス業』 私たちは、障がいや疾患を持ちながらも、その身を委ねてくださっているご利用者やご家族の想いに対し、人生の総仕上げの瞬間に介入するという、責任と覚悟をもって向き合うことが必要だと感じています。 目の前のご利用者に『生ききって』頂く。 私たち介護職と出会ったことで、より良き人生の総仕上げを迎えて頂ける為のサポートをさせていただく事が、私たちに課せられた使命だと思っています。

他業種から介護関連の仕事への転職を考えているのですね。新しい仕事に挑戦しようとするときは、期待と同じくらい不安もあることでしょう。特に、介護や医療の分野は似たような職種名が多く、「何が違うのだろう?」と迷われるかたも多いと思います。

■名前は似ているけれど役割は異なる

「看護助手」と「介護助手」も、その代表的な例です。名前だけを見ると、医療・介護の現場を補助する同じような職種だと思われるかもしれません。けれど、実際には働く場所や制度、サポートする対象などが大きく異なります。

■共通する役割は「専門職を支えること」

ただし、役割的には共通する部分があり、「専門職(看護師・介護職員)が本来の業務に集中できるように支えること」と、「患者さんや利用者さんの不安・困りごとを専門職へつなぐこと」は、両者が仕事をする上での基本です。

今回は、看護助手と介護助手の違いを制度や現場での役割、働き方などの視点から、分かりやすく解説します。

看護助手と介護助手の違い

結論からお伝えすると、看護助手と介護助手の違いは、「医療を支える仕事」か「介護を支える仕事」かにあります。具体的な役割や業務上の違いは、以下の通りです。

■看護助手の主な職場と業務

1.病院・クリニックなどで働く
2.医療保険制度の中で働く
3.看護師を支える
4.身体介助を行う機会が比較的多い

■介護助手の主な職場と業務

1.特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、デイサービスなどで働く
2.介護保険制度の中で働く
3.介護職員・介護福祉士を支える
4.間接業務が中心

看護助手とは?

看護助手は、看護師の指示のもと、患者さんの身の回りのケアや環境整備など、医療行為以外の看護補助業務を行う職種です。

看護師は、点滴や採血、診療の補助、医療機器の管理など、医療行為に関わる専門的な業務を担います。看護師の業務負担を減らしつつ、患者さんの生活支援や環境整備などを行う職種として、看護助手が必要とされているのです。

■看護助手の主な仕事内容

仕事内容は、医療機関によって異なりますが、一般的には以下の業務が中心となります。
・食事の介助
・排泄介助
・入浴介助
・ベッドメイキング
・シーツ交換
・患者さんの移送・搬送
・物品補充
・病室の環境整備 など

ここで一つ、大切なことを付け加えておきます。看護助手は、単に「看護師のお手伝い」をする人ではありません。

■看護助手は患者さんと看護師をつなぐ存在

実際の現場では、患者さんと接する時間が長いため、看護助手が患者さんの不安や困りごとを最初に受け止めることが少なくありません。

「週末の手術に不安があるんです」「少し痛みがあります」「眠れません」「家族が心配です」などの声を最初に聞くのは、看護助手であることが多いのです。そして、その情報を正しく看護師へつなぐ役割を担っているのです。

■看護助手と介護職員の違い

■共通している仕事内容

看護助手の仕事には、食事介助・排泄介助・入浴介助など、介護職員や介護福祉士と共通する業務があります。そのため、「看護助手と介護福祉士は同じ仕事なのですか?」と聞かれることも珍しくありません。

実際、病院によっては介護福祉士が看護助手として働いていることもあります。ただし、ここで大切なのは、業務内容が同じ・違うということではなく、それぞれの現場で「どういった役割を求められているか」を正しく理解することです。

■求められる役割の違い

看護助手は、医療機関において患者さんの療養生活を支え、看護師が医療的なケアに専念できるよう支援するのが大きな役割となります。それに対して介護福祉士は、介護保険法の下で利用者の生活を支え、自立支援やその人らしい生活の実現を目指す専門職です。

例えば、同じ食事介助でも、医療現場では治療や療養を支える視点が重視される傾向にあります。一方、介護現場では「できる部分はご本人に行っていただき、残っている力を引き出す」という自立支援の視点がより重要になります。

つまり、身体介助という行為が似ていても、その背景にある目的や役割は大きく異なるのです。だからこそ、その違いを理解することが、看護助手や介護職員の価値を高めることにつながると私は考えています。

介護助手とは?

介護助手は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、デイサービスなど、主に介護保険施設や高齢者施設などで働く職種です。 介護助手は介護職員とは役割が異なり、主に介護職員を補助する業務を担います。

介護福祉士や介護職員は、利用者さんへの食事・排泄・入浴の介助や、コミュニケーションを通じた情報収集など、直接的な介護サービスを担います。そして、それぞれの職員が利用者さんのケアに専念できるように、間接業務を担うのが介護助手です。

■介護助手の主な仕事内容

介護助手の主な仕事内容は、以下の通りです。
・シーツ交換
・衣類の整理
・清掃
・物品補充
・配膳・下膳
・環境整備
・見守り
・洗濯や備品管理
・受診の送迎 など

■介護助手は利用者さんと介護職員をつなぐ存在

また、看護助手と同じように、利用者さんと接する中で「今日は元気がない」「寒そうにしている」「ご家族を心配している」といった小さな変化や不安に気づき、それを介護職員につなぐのも重要な役割の一つです。

■介護助手は間接業務を担うケースが多い

転職を考えているかたにとって、もっとも気になるのは「実際にどんなことをするのか」だと思いますが、看護助手と介護助手の大きな違いは、身体介助の割合にあると考えてよいでしょう。

食事・排泄・入浴などの身体介助を経験する機会は、看護助手の方が圧倒的に多い傾向にあります。病院では、看護師が医療行為に集中できるように、看護助手が患者さんの日常生活をサポートしますが、その中には身体介助を行う場面が少なくありません。

一方、介護助手は、介護職員が直接介護に専念できるよう、シーツ交換や物品の補充、清掃、衣類整理などの間接業務を担当することが多くなります。

未経験から始めるなら、どちらがおすすめ?

看護助手も介護助手も、無資格・未経験から始められる求人が多く、「介護・医療分野への入り口」と位置づけられている職種です。ただし、実際の現場を見ると、それぞれの働き方には違いがあります。

■看護助手が向いている人の特徴

看護助手は食事介助や排泄介助、入浴介助などの身体介助を担う場面が多いほか、病棟勤務や早番・遅番などのシフト勤務を行うことも少なくありません。そのため、医療や介護の専門職を目指しているかたや、常勤としてしっかり経験を積みたいかた、身体介助を含めた仕事にも前向きに取り組みたいかたに選ばれる傾向にあります。

■介護助手が向いている人の特徴

それに対して介護助手の業務は、環境整備や物品管理、シーツ交換、配膳・下膳などが中心で、「まずは介護現場の実情を知りたい」「体力面に配慮しながら、自分のペースで働きたい」と考えるかたにとって、挑戦しやすい職種といえます。実際、短時間勤務やパートタイムで募集されているケースも多く、子育て中のかたやセカンドキャリアとして携わりたいかたにも選ばれています。

最後に

現在、介護や医療の現場では、人材不足が大きな課題となっています。だからこそ、看護助手や介護助手の存在はこれまで以上に重要になっています。

専門職が専門性を発揮できる環境を支え、患者さんや利用者さんにより良いサービスを届けるためには、サポート役の力が欠かせません。たとえ資格や経験がなくても、人を思いやる気持ちや誰かの役に立ちたいという思いは、この仕事で大きな力になります。他業種で培ってきたさまざまな経験も、必ず生かせるでしょう。

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この記事のライター

・けあぷろかれっじ 代表
・NPO法人JINZEM 監事

介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士

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