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発達障害のグレーゾーンとは?当てはまる子どもの特徴や接し方、支援できる職場を知っておこう

発達障害のグレーゾーンとは?当てはまる子どもの特徴や接し方、支援できる職場を知っておこう

[2025年10月10日 更新] 発達障害のグレーゾーンとは、発達障害の症状は見られるものの、診断基準を満たさない状態を指します。グレーゾーンの子どもの特徴や対応方法、支援できる勤務先など、子どもの発達支援に携わりたい人が知っておきたい情報を解説します。


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監修者/専門家

伊藤 浩一

https://mynavi-iryofukushi.jp/media/users/14

茨城県介護福祉士会副会長 特別養護老人ホームもくせい施設長 いばらき中央福祉専門学校学校長代行 NPO法人 ちいきの学校 理事 介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント 介護福祉士 社会福祉士 介護支援専門員 MBA(経営学修士)

発達障害のグレーゾーンとは、一般的に、発達障害の症状は見られるものの、発達障害の診断基準を満たさない状態を指します。グレーゾーンの子どもは、明確な診断名がつかないため、支援につながりにくく、家庭や保育園、学校などで課題や悩みを抱えがちです。

療育施設をはじめとする発達支援の現場や保育・教育現場でも、グレーゾーンの子どもに接する機会は増えています。そんなとき、現場で働く職員はどのようなことに気をつければよいのでしょうか。発達障害の種類やグレーゾーンの子どもの特徴、適切な対応方法や支援機関など、子どもの発達支援に携わる人、携わりたい人が知っておきたい情報について解説します。

発達障害の種類

発達障害とは、生まれつき脳機能や発達の仕方に偏りがあるために日常生活に支障が生じる障害のことで、次の3つに大きく分けられます。

1.ASD「自閉症スペクトラム症」
2.ADHD「注意欠陥多動症(注意欠如・多動性障害)」
3.SLD「限局性学習症」

※参照:厚生労働省 発達障害の特性(代表例)

1.ASD「自閉症スペクトラム症」

ASD「自閉症スペクトラム症」は、発達の特性の1つであり、一般的には「自閉症」と呼ばれることもあります。ASDのある人は、他者とのコミュニケーションや関わりに難しさを感じることがあり、感覚が非常に敏感だったり、逆に鈍く感じることもあります。

また、環境や予定の変化に対して強い抵抗を示すことがあり、特定の物事に強いこだわりを持つ傾向も見られます。これらの特性は人によって異なり、日常生活にさまざまな影響を与えることがあります。

2.ADHD「注意欠陥多動症」(注意欠如・多動性障害)

ADHD「注意欠陥多動症」(注意欠如・多動性障害)は、集中力を保つことが難しかったり、じっとしているのが苦手だったり、思いついたことをすぐに行動に移してしまうなど、衝動的な行動が見られる発達特性です。

これらの特性は、本人の努力や意思とは関係なく現れるものであり、周囲の理解や環境の工夫によって、より安心して過ごすことができるようになります。

3.SLD「限局性学習症」

SLD「限局性学習症」は、知的な発達に遅れがあるわけではないにもかかわらず、読み書きや計算など、特定の学習分野において困難を示す状態を指します。

かつてはLD「学習障害」と呼ばれていましたが、現在ではSLD「限局性学習症」が正式な名称として用いられています。こうした特性は、本人の努力不足によるものではなく、脳の情報処理の仕方に由来するものであり、適切な支援や理解が、学びやすい環境づくりにつながります。

発達障害のグレーゾーンとは?

発達障害のグレーゾーンとは、ASD「自閉症スペクトラム症」、ADHD「注意欠如多動性症(注意欠陥・多動障害)」、SLD「限局性学習症」などの特性が一部見られるものの、医学的な診断には至らない状態を指します。ただし、この「グレーゾーン」という言葉はあくまで一般的な表現であり、医学的な診断名ではありません。

診断がついていない場合でも、日常生活や保育園、学校などの場面で困りごとや課題が生じることは少なくありません。そのため、子どもの特性や状況に応じて、専門家による適切な支援や環境調整が求められます。早期の理解と対応が、子ども自身の安心や成長につながる大切な一歩となります。

発達障害のグレーゾーンの子どもに見られる特徴

グレーゾーンに特有の特徴はありませんが、グレーゾーンの子どもにも、発達障害の特徴の一部が見られることがあります。ここでは、障害の種類別に、よく見られる特徴を解説します。

なお、発達障害の特徴には個人差があり、発達障害の傾向があっても、必ずしもこれらの特徴すべてがあらわれるわけではありません。また、ASD、ADHDの両方の傾向があるというように、一人の子どもに複数の発達障害の特徴が見られるケースもあります。
※参照:厚生労働省 発達障害の特性(代表例)
※参照:発達障害ナビポータル 自閉スペクトラム症
※参照:発達障害ナビポータル 注意欠如多動症
※参照:発達障害ナビポータル 限局性学習症

ASD「自閉症スペクトラム症」の傾向がある場合

■乳幼児期(0歳~6歳まで)

・同じ年頃の子より言葉の発達が遅い
・他人と視線を合わせようとしない
・同世代の友だちと遊ぼうとしない
・決まった道順や手順にこだわり、順序が変わるとパニックになる
・くるくる回るものをじっと見ていることが多い


ASD(自閉スペクトラム症)の傾向がある子どもは、未就学の乳幼児期から、言葉の発達がゆっくりであったり、人とのコミュニケーションが難しかったりする様子が見られることがあります。また、興味や関心が特定の物事に偏っていて、強いこだわりを示すこともあります。

乳幼児期の子どもには発達の個人差が大きく、発達障害ではなくても言葉の習得が遅い場合があり、言葉の遅れが見られたとしても、ASDかどうかを乳児期に判断するのは難しいと言われていました。しかし、近年は、3歳ごろまでに専門機関で「疑い」の診断がつくことが増加しており、乳幼児健診が早期発見のきっかけになることもあります。

■小学生(6歳~12歳)

・集団行動になじめない
・友だちとケンカになりやすい
・急な予定の変更があるとパニックになる
・気持ちの切り替えが苦手
・光や音などに過敏に反応する


ASD傾向がある子どもが小学生になると、クラスでなかなか友だちができなかったり、人が大勢集まる場所に行きたがらず集団の活動に参加できなかったりと、学校生活で悩みや課題を抱えがちです。

ADHD「注意欠如多動性症(注意欠陥・多動障害)」の傾向がある場合

■乳幼児期(0歳~6歳まで)

・常に動き回っていて落ち着きがない
・何か気になることがあると、食事を中断して動き回る
・友だちと遊んでいるとき、オモチャを奪ってしまう
・かんしゃくを起こしやすい


ADHD(注意欠如・多動症)の傾向がある子どもには、乳幼児期のうちから、じっとしていることが難しく、常に体を動かしていたり、思いついたことをすぐに行動に移してしまったりする様子が見られることがあります。また、感情のコントロールが難しく、かんしゃくを起こすなど衝動的な反応が目立つこともあります。

ただし、こうした行動は、発達の途中にある幼い子どもにはよく見られるものであり、すぐにADHDと判断することは難しい場合があります。乳幼児期には、個々の発達のペースを見守りながら、必要に応じて専門家の意見を取り入れることが大切です。

■小学生(6歳~12歳)

・授業中に座っていられず席を離れてしまう
・忘れ物が多い
・友だちとケンカになりやすい
・急な予定の変更があるとパニックになる
・気持ちの切り替えが苦手
・光や音などに過敏に反応する


小学校に入学すると、授業が始まり、宿題が出されるようになるなど、従うべきルールや集団での行動が求められる場面が増えていきます。その中で、ADHD(注意欠如・多動症)の特徴である注意力の欠如や衝動性が、乳幼児期よりもはっきりとあらわれるようになることがあります。

そのため、子どもが小学生になってから保護者がADHDの傾向に気づき、専門の医療機関を受診するケースも少なくありません。学校生活の中で見えてくる困りごとをきっかけに、適切な支援につながることが大切です。

SLD「限局性学習症」の傾向がある場合

■乳幼児期(0歳~6歳まで)

乳幼児期は本格的な学習の機会が少ないため、SLDの特徴があらわれる場面は限られています。
多くの場合、周囲が子どもにSLDの傾向があることに気づくのは小学校入学以降です。

■小学生(6歳~12歳)

・文字を一文字ずつ区切って読む
・絵本や児童書を読みたがらない
・「め」と「ぬ」、「わ」と「ね」などの形が似た文字の書き間違いが多い
・鏡文字を書いてしまうことが多い
・暗算ができない
・時計が読めず、時間が分からない


SLD(限局性学習症)の傾向がある子どもは、小学校に入学すると、読み書きや計算といった学習面で課題を抱えることが多くなります。SLDの中でも、文字を読むことに困難がある状態は「ディスレクシア(読字障害)」、文字を書くことに困難がある状態は「ディスグラフィア(書字表出障害)」、算数や計算に困難がある状態は「ディスカリキュリア(算数障害)」と呼ばれています。

ただし、SLDの表れ方やその程度は子どもによってさまざまであり、一人ひとりの特性に応じた理解と支援が求められます。

グレーゾーンの子どもへの接し方

では、グレーゾーンの子どもに接する際には、どのように対応すればよいのでしょうか。

発達支援の現場では、子ども一人ひとりの特性や個性に合わせた細やかな対応が求められますが、ここでは、グレーゾーンの子どもへの基本的な接し方のコツを解説します。

1.共感し、寄り添う
2.肯定的な表現でアドバイスする
3.具体的に伝える
4.よく観察し、特性に合わせて工夫する
5.目標を細かいステップに分けて取り組む

※参照:厚生労働省 発達障害の理解

1.共感し、寄り添う

発達障害の傾向がある子どもは、大人から見ると予想外の行動をとることがあり、ときには「わがまま」「自分勝手」と感じられてしまうこともあるかもしれません。しかし、そうした行動の背景には、その子自身の感じ方や困りごとがあることを理解することが大切です。

着替えや食事などを嫌がる場面では、まず「嫌なんだね」と子どもの気持ちを受け止めてあげましょう。そのうえで、なぜその行動が必要なのか、どんな目的があるのかを、穏やかでわかりやすい言葉で伝えるようにすると、子どもも安心して行動に移しやすくなります。

2.肯定的な表現でアドバイスする

発達障害のグレーゾーンにある子どもは、その特性のために、日常生活や集団生活の中でうまくできないことが多く、自信をなくしてしまいがちです。特性への理解が十分でない大人から、否定的な言葉をかけられてしまう場面もあるかもしれません。

子どもに声をかけたり注意をしたりする場面では、できるだけ自信を失わせないように、肯定的な表現を心がけることが大切です。

たとえば、グループでの療育中に、ほかの子どもから道具を取り上げてしまった場合、「そんなことしちゃダメ!」と否定するのではなく、「次は〇〇の順番だから、〇〇に渡そうね」と伝えるようにしましょう。そして、渡すことができたら「ちゃんとできたね」と褒めてあげることで、子どもは安心感と達成感を得ることができます。

3.具体的に伝える

発達障害やグレーゾーンの子どもは、あいまいで抽象的な表現を理解するのが難しい傾向があります。そのため、指示や注意をする際には、できるだけ具体的な言葉で伝えることが大切です。

たとえば、「もう少し待ってね」と言う代わりに「5分待ってね」と時間をはっきり示したり、「ちゃんと片付けて」と言う代わりに「ブロックをおもちゃ箱に入れてね」と、何をどうすればよいかを具体的に伝えるようにしましょう。こうした工夫によって、子どもが状況を理解しやすくなり、安心して行動に移すことができます。

4.よく観察し、特性に合わせて工夫する

発達障害やグレーゾーンの子どもに見られる特性や行動パターンは、一人ひとり異なり、個性としてあらわれます。そのため、まずはよく観察し、その子の興味や関心、得意なことや苦手なこと、困っていることを把握することが大切です。そして、それぞれの特性に合わせたサポートを行うことで、子どもが安心して過ごしやすくなります。

たとえば、目で見た情報を理解するのが得意な子には、口頭で伝えるよりも予定をリストにして視覚的に示すことで、スムーズに行動できることがあります。また、物をなくしやすい子には、あらかじめ物の置き場所を決めておくことで、探す手間や不安を減らすことができます。

5.目標を細かいステップに分けて取り組む

発達障害やグレーゾーンの子どもの発達支援では、最初から高い目標を掲げるのではなく、目標を細かく分けて、手の届きそうな小さなステップから取り組むことが基本です。こうした「スモールステップ」の積み重ねが、子どもにとって達成感を得やすく、意欲にもつながります。

たとえば「Tシャツを着る」という行動も、「Tシャツを手に取る」「前後を確認する」「頭に通す」「腕を通す」といったように、いくつかのステップに分けることができます。一つのステップができたらしっかり褒めて、習慣化したら次のステップへ進むといったように段階的に課題に取り組むことで、子どもは安心して成長していくことができます。

発達障害グレーゾーンの子どもを支援できる勤務先

ここからは、発達障害やグレーゾーンの子どもの支援に関わることができる勤務先と、そこでの主な仕事内容を紹介します。

【療育施設】
■児童発達支援事業所・センター
■放課後等デイサービス事業所
■保育所等訪問支援事業所

【その他の相談・教育機関など】
■児童相談所
■発達障害者支援センター
■保育園・幼稚園
■小学校・中学校などの学校

療育施設

児童福祉法で定められている児童福祉施設のうち、障害のある子どもに言語指導やトレーニングなどの療育(発達支援)を行う施設を療育施設と呼びます。

療育施設とは、児童発達支援センターや放課後等デイサービスの総称であり、利用には、市区町村による「障害児通所受給者証」の交付(支給決定)が必要です。医師意見書等を添えて申請し、支給決定後に利用します。

■児童発達支援事業所・センター

児童発達支援事業所は、6歳以下の障害児を対象とした通所型の施設です。発達障害の子どものほか、身体や精神に障害のある子どもも利用します。支援を必要とする子どもと保護者が通いやすいように、通常、地域内に複数の事業所が開業しています。

児童発達支援事業所で働く児童指導員や保育士の主な仕事内容は、トイレや着替えといった日常動作の指導、言葉の遅れが見られる子どもへの言語指導やトレーニングといった療育です。

児童発達支援センターも6歳以下の障害児を対象にした通所型施設ですが、より規模が大きく、地域の障害児支援の中心的な役割を担う施設とされています。児童発達支援事業所と同様に日常生活の指導や言語訓練などの療育のほか、子どもの発達に不安を感じる保護者からの相談への対応、地域の児童発達支援事業所で働く職員向けの研修なども行っています。

■放課後等デイサービス事業所

放課後等デイサービス事業所は、小学生から高校生の障害のある子どもを対象にした通所型の支援施設です。

放課後や土曜日、夏休みや冬休みなどの長期休暇中に、児童指導員や保育士などの職員が、療育や生活支援を行います。保護者への子育てに関するアドバイスや情報共有などの保護者対応も業務の一環です。

■保育所等訪問支援事業所

保育所等訪問支援は、保育園や幼稚園、小学校などに通っている障害児のための支援サービスです。

児童指導員や保育士などの職員が、定期的に保育園や幼稚園、小学校などを訪問し、障害のある子どもが集団生活に適応できるように手助けします。あわせて、施設の教職員への指導やアドバイスも行います。

その他の相談・教育機関など

療育施設のほか、下記のような施設や相談機関、教育機関などでも、発達障害やグレーゾーンの子どもに関わることができます。

■児童相談所

児童相談所は、18歳未満の子どもに関する相談機関で、児童福祉法に基づいて各都道府県や政令指定都市に設置されています。

子ども本人はもちろん、家族、学校の先生、地域住民など、誰でも相談可能です。受け付けている相談内容は、保護者の病気や死亡などの理由で子どもが家庭で生活できない、虐待の疑いがあるといった相談のほか、発達の遅れや不登校など、多岐にわたります。

児童相談所では、利用者さんの相談内容に応じて児童福祉司や児童心理司、医師、保健師などの専門職が対応し、アドバイスや指導、トレーニングなどの援助を行います。事情があって家庭で生活できない子どもがいれば、施設に入所させる、里親に預けるといった方法で保護する場合もあります。

■発達障害者支援センター

発達障害者支援センターは、発達障害者支援法に基づいて設置されている、発達障害者や発達障害児、その家族のための相談機関です。日常生活の悩み、職場や学校での困りごとなどの相談に対応するほか、発達支援や就労支援も行っています。

発達支援は、療育や教育に関するアドバイス、発達検査の実施が中心です。センターによって職員に求められる要件は異なりますが、社会福祉士や精神保健福祉士、臨床心理士、言語聴覚士などが活躍しています。

■保育園・幼稚園

発達障害の認知度が高まって診断を受ける子どもが増えるなか、保育園で働く保育士や幼稚園の教員にも、発達障害への理解が求められています。一般の保育園や幼稚園も、発達障害やグレーゾーンの子どもに関わり、支援できる職場といえます。

保育士や幼稚園の教員が保育や教育を行うなかで、子どもに発達障害の傾向があることに気づいた場合は、まず上司や園長に相談する必要があります。そのうえで、保護者に共有する、児童発達支援事業所・センターでの相談や療育につなげるといった対応をとることもあります。日常の保育や教育のなかでは、特性や個性を踏まえた対応や配慮をすることが大切です。

なお、保育園と幼稚園には、前者がこども家庭庁管轄の児童福祉施設であるのに対し、後者は文部科学省管轄の教育機関であるという違いがあります。2006年に認定こども園制度が始まってからは、保育と教育を一体的に行う認定こども園も増えています。認定こども園は、こども家庭庁が管轄しています。

■小学校・中学校などの学校

小学校や中学校の教員も、発達障害やグレーゾーンの子どもを支援する機会があります。グレーゾーンの子どもは、特性や保護者の希望に応じて、通常学級・特別支援学級・通級のいずれかを選択することがあります。

特別支援学級では、少人数で一人ひとりの特性に合わせた学習指導が行われます。通級では、通常学級に通いながら週1〜2回程度、個別の支援を受けることができます。これらの担任や指導教員には教員免許が必要ですが、特別な免許は不要です。ただし、専門性を高めるために特別支援学校教諭免許の取得や研修が推奨されています。

また、多くの公立校にはスクールカウンセラー(公認心理師・臨床心理士など)が配置されており、発達の悩みや不登校、いじめなどの相談に対応しています。スクールカウンセラーとして働くことも、子どもたちの支援に関わる重要な役割のひとつです。

まとめ:現場の工夫と連携で、子どもの「生きづらさ」は軽くできます

本記事では、診断の有無にかかわらず、まず環境と関わり方を整えることが支援の出発点であることをお伝えしました。現場では、観察→共有→環境調整→振り返りという小さなサイクルを、保護者と同じチームで回すことが大切です。

私自身、小学校低学年でADHDの診断を受けた子の親として、ショックと同時に大きな安堵を経験しました。手探りの対応だけでは限界を感じていたところ、医療的サポートにつながり、薬物療法も含めて状態を安定させる選択肢が広がりました。現場の皆さんには、この“つながり”を促す役割があることを心強く思っています。

現在は医療・福祉・教育の連携や合理的配慮の実践が進んでいます。視覚的な手がかり、事前予告、刺激環境の調整、課題のスモールステップ化など、日々の実践でできる工夫はたくさんあります。ひとりで抱え込まず、主治医・支援機関・学校/園・事業所と早めに連携し、その子に合う形で支援を組み合わせていきましょう。(薬のことは主治医と個別に相談を)

現場の丁寧なまなざしと小さな工夫が、子どもと家族の安心を確かに支えます。

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