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50代未経験から介護職に転職できる?求人応募や面接でのポイントを解説

50代未経験から介護職に転職できる?求人応募や面接でのポイントを解説

50代で異業種から介護職への転職を検討しているという方からのお悩みです。4カ所の特別養護老人ホームの施設長を経験されている伊藤浩一さんにご回答いただきました。転職を成功させるためのポイントについて、詳しく解説していきます。【執筆者/専門家:伊藤浩一】


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本日のお悩み:50代・未経験でも介護職に転職できる?

現在、異業種から介護職への転職を検討しています。50代・未経験でも採用される可能性はあるでしょうか? 事前に資格を取っておいたほうが良いか、求人応募や面接の時にどんなことを意識すれば良いかなど、転職に向けたアドバイスをいただきたいです。

50代・未経験でも採用されるのか?

執筆者/専門家

伊藤 浩一

https://mynavi-iryofukushi.jp/media/users/14

茨城県介護福祉士会副会長 特別養護老人ホームもくせい施設長 いばらき中央福祉専門学校学校長代行 NPO法人 ちいきの学校 理事 介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント 介護福祉士 社会福祉士 介護支援専門員 MBA(経営学修士)

介護業界では50代・未経験からの挑戦も珍しくない

50代で異業種から介護職への転職を検討されているのですね。結論からお伝えすると、50代・未経験であっても、介護職として採用される可能性は十分にあります。実際、介護の現場では、40代、50代、60代から介護の仕事を始める方が少なくありません。

私は毎年、「介護労働講習」という、離職者を対象とした職業講習で講師を担当しているのですが、その受講者の皆さんの平均年齢も50歳を超えています。

異業種で培った経験は介護現場の強みになる

そして、そうした方がたに必ずお伝えしていることがあります。「皆さんがこれまで別の業界で積み重ねてきた経験は、介護の仕事に役立つ場面があります。また、これまでの経験を活かして、より良い支援につながることもあります」ということです。

介護の仕事は、単に食事や排泄、入浴といった介助を行うだけのものではありません。介護とは、人生の大先輩である高齢者の皆さんに対して、その方の身になって考え、その方が望む暮らしを実現していく仕事です。そのためには、相手の人生、生活歴、仕事、家族、趣味、価値観、好きなこと、苦手なことに寄り添う力が必要になります。

人生経験が利用者への理解や共感につながる

若い世代の介護職には、若さ、明るさ、元気さ、吸収力といった大きな強みがあります。一方で、経験の違いにより、高齢者の方の歩んできた時代背景や生活上のご苦労などについて、十分に想像することが難しい場面があるかもしれません。

それに対して、50代の方には、職場や家庭、地域の中で培ったさまざまな人生経験があります。職場での人間関係や仕事に対する責任、失敗や苦労、家族との関わり、地域での役割など、これまでの経験はすべて、介護サービスを利用する高齢者(以下、利用者)に寄り添う力となるでしょう。

50代の客観的視点が大きな力に

異業種だからこそ気づける介護現場の課題

介護職として長く働いていると、どうしてもその業界の「当たり前」に慣れてしまうことがあります。しかし、異業種から入ってくると、
「なぜこのようなやり方をしているのだろう」
「この言葉づかいで良いのだろうか」
「もっと効率的な方法があるのではないか」
「サービスを受ける側から見て本当に適切なのだろうか」

と、業務を客観的に見られます。この視点は、介護現場にとって非常に貴重です。

私自身も、もともと介護を専門的に学んできたわけではなく(大学では経済学を専攻していました)、介護に関する知識が十分でない状態でこの世界に飛び込みました。そのときに感じた多くの違和感は、いまでも仕事に携わるうえで非常に役に立っています。

介護現場が「閉じた環境」になりやすい理由

介護の現場では、感染症対策のために、施設やユニットを外部から守らなければならない時期があります。また、ユニットケアの考え方では、利用者にとって家庭に近い環境をつくるため、同じ職員が継続的に関わることも重視されます。

それらは、いずれも必要な措置です。ただし、そのために外部の言葉や客観的な視点が入りにくくなり、「閉じた環境」になりやすいことも事実です。その結果、利用者との信頼関係を築くための行為が、いつの間にか過度ななれ合いになってしまうこともあります。

なれ合いが利用者の尊厳を損なうことも

例えば、利用者に対する言葉づかいが少しずつ崩れていくのも、そうした状況の一つです。名前を「ちゃん」付けで呼ぶ。敬意を持って関わっているつもりが、いつの間にか「してあげている」という上から目線になってしまう——。そうした積み重ねは、お互いの関係をゆがませ、介護職員による虐待の要因にもなりかねません。

介護サービスは、利用者やご家族から対価をいただいて提供している専門的なサービスです。親しみは大切ですが、専門職としての礼節や、利用者の尊厳に対する配慮を失ってはいけません。

異業種で培った経験は介護現場の強みになる

異業種から転職してきた方は、そうした介護現場の「当たり前」を、一般社会の感覚から見直すことができます。
・接客業で培ったていねいな対応
・営業職で身につけた傾聴力
・事務職としての正確性
・製造業で培った安全意識
・管理職としての調整力
・家庭や地域での生活感覚

これらはすべて、介護の現場で活かせるでしょう。

70代後半介護助手女性の事例

私の施設では、介護助手として70代のスタッフも活躍しています。例えば、入職後に利用者とのコミュニケーションが評価されているケースもあります。なぜかというと、利用者の多くが「自分たちのことをわかってくれる」と感じているからです。事実、「同世代だから話しやすい」「相談しやすい」という声を聞く機会は少なくありません。

もちろん、年齢が近ければ良いという単純な話ではありません。しかし、人生経験を重ねてきたからこそ、相手の気持ちを受け止められる場面は多いのです。

資格があったほうが採用されやすいのか?

資格があると採用で有利になる理由

次に、「事前に資格を取っておいたほうが良いか」という質問に回答しましょう。未経験・無資格でも応募できる求人は、もちろんあります。ただし、採用する立場から資格がないかたとある方を比較した場合、やはり資格を取得しているほうが、採用しやすい面はあります。「最低限の知識は身についている」と考えられるからです。

まずは介護職員初任者研修を検討しよう

入職前に取得しやすい資格としては、「介護職員初任者研修」が挙げられます。初任者研修は、介護の基本的な考え方や技術を学ぶ入り口となる研修です。修了することで、介護現場で使われる基本的な言葉や考え方を理解しやすくなり、入職後の不安も軽減されるでしょう。

初任者研修の受講が難しい場合は入門的研修も選択肢に

しかし、研修が長時間(130時間)に及ぶので、時間的にも気持ち的にもハードルが高いという方もいるかもしれません。そうした場合は、「介護に関する入門的研修」から始める方法もあります。

入門的研修は、介護の仕事に関心がある方が、介護の基本を短時間で学ぶための研修(21時間)です。都道府県・市町村などが実施主体となっているため、まずはお住まいの地域で実施状況や詳しい内容を確認すると良いでしょう。

求人応募や面接で大切なこと

最後に、求人応募や面接で意識していただきたいことを紹介します。

50代未経験者が面接でアピールできる強み

ここまでお話ししてきたように、皆さんには大きな強みが2つあります。

1つ目は、人生経験・社会経験が豊富であること。
2つ目は、介護業界を客観的な視点で見る力があることです。

介護の仕事に求められる姿勢とは

けれど、採用の決め手としてもっとも大切なのは、「なぜ介護の仕事をしようと思ったのか」という動機や志です。

介護の仕事は、利用者の生活と尊厳に関わる仕事です。だからこそ、技術だけでなく、倫理観や真摯な姿勢が重視されます。例えば、「利用者に少しでも笑顔になってもらいたい」「したくてもできなくなったことを実現するお手伝いをしたい」「介護人材不足という社会課題に対して、自分も力になりたい」といった思いがあることは、介護サービスの質を高めるうえで非常に重要です。

採用担当者が未経験者に期待していること

特に未経験者の場合、技術は仕事を続ける中で学んでいくのが一般的です。当然、介護事業所の側も、利用者は十人十色であり、技術は現場で経験しながら覚えていくことが大切だと理解しています。

面接では、動機や志に重きを置き、「なぜ介護の仕事をしたいのか」「経験をどう活かしたいのか」「どのような介護職になりたいのか」を自分の言葉で語れる(記載できる)ように準備しましょう。

まとめ

50代からの介護職転職は、決して遅い挑戦ではありません。介護職は、これまでの人生経験や社会経験を十分に活かせる仕事です。皆さんの人生経験や客観的な視点、相手の人生に寄り添う気持ちは、これから更に深刻化する超高齢社会を支える大きな力となるでしょう。

私も同じ50代、共にがんばりましょう!

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この記事のライター

茨城県介護福祉士会副会長
特別養護老人ホームもくせい施設長
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NPO法人 ちいきの学校 理事
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