本日のお悩み:新人介護職員の独り立ちまでの期間
新人介護職員の成長を早めるために大切なこととは?
■執筆者/専門家
『介護福祉は究極のサービス業』 私たちは、障がいや疾患を持ちながらも、その身を委ねてくださっているご利用者やご家族の想いに対し、人生の総仕上げの瞬間に介入するという、責任と覚悟をもって向き合うことが必要だと感じています。 目の前のご利用者に『生ききって』頂く。 私たち介護職と出会ったことで、より良き人生の総仕上げを迎えて頂ける為のサポートをさせていただく事が、私たちに課せられた使命だと思っています。
■新人職員が不安を感じるのは自然なこと
そのため、「独り立ちまではどれくらいかかるのだろう」「自分は周りについていけているのだろうか」「もっと早く仕事を覚える方法はないだろうか」といった不安を抱く場面も多いと思います。実際、今回のご質問は、新人職員の方からよくうかがうお悩みです。もちろん、後藤自身も新人時代は同じような不安を抱えていました。
■不安を感じた経験があるからこそ伝えられること
新しい職場に入ったばかりのころは、「自分は何が分からないのか」すら分からないこともあり、そのたびに不安を抱えてしまうこともあります。
その後、25年以上この業界に携わり、人材育成や新人教育にも関わってきたからこそ、お伝えできることがたくさんあります。
今回は、介護職員が独り立ちするまでの期間と、少しでも早く成長するために意識したいポイントをお話しします。
新人介護職員の独り立ちまでの期間はどれくらいが一般的?
そのため、「何カ月で独り立ちできます」という共通の正解はありません。
■経験者と未経験者の独り立ち期間の目安
そして、ここで大事なのは、独り立ち=一人前ではないということです。介護職は3年、5年、10年と経験を積んでも学び続ける仕事です。後藤自身、いまなお学び続けていますし、介護福祉士の倫理綱領でも、資格取得後の継続的な自己研鑽の重要性が示されています。
■介護も「学び続ける姿勢」が大切
「上達するために何を意識していましたか?」
「やみくもに練習していたらうまくなると思いますか?」
新人職員が戸惑う理由
ですが、先輩職員も最初からそれらを覚えていたわけではありません。新人時代は誰もが、「何を聞けば良いのかさえ分からない」という状態からスタートしています。ですから私は、最初から完璧を目指すのではなく、一つのことを覚えてから次を覚え、分からなければ聞くということを繰り返すのが成長の近道だと伝えています。
まずは、ご利用者を知ることから始めよう!
介護福祉は、ご利用者の人生の大切な時期に関わり、日々の暮らしを支える仕事です。だからこそ、新人時代は何ができるかよりも、どんな人なのかを知ることを優先してほしいと思います。
■執筆者の施設で実践している取り組み
・どんな仕事をしてきたのか
・何が好きなのか
・何を大切にしているのか
・どんな人生を歩んできたのか
■会話の積み重ねがご利用者の理解につながる
また、会話の内容は必要に応じて記録に残し、ご利用者の同意や施設のルールに沿って、より理解を深めるために確認を行うこともあります。そうした会話の積み重ねが、ご利用者理解につながるからです。ケアのヒントになることもあるので、ぜひ参考にしてみてください。
早く成長する新人職員の共通点
新人時代の言動でもっとも危険なのは、分かったつもりになることです。質問することが恥ずかしいことではありませんし、質問して疑問を解消することは成長につながります。分からないことをそのままにせず、素直に「教えてください」といえる人は必ず伸びるので、遠慮せず、遠慮なくご質問ください。
■仕事を早く覚える新人職員が意識していること:メモ活用術
ただし、手当たり次第にメモすれば良いというわけではありません。メモを取る際は、以下の内容を自分の言葉で整理して残しておくことが大切です。
・介助時の注意点
・先輩から教わったこと
・自分が失敗したこと
・次回気をつけたいこと
・細かな時間ごとのタイムテーブル
■新人サポートで伝えていること:目標設定のコツ
「目標を立てよう」といわれると、身構えてしまうかもしれませんが、過度に構える必要はありません。今日はご利用者3人の名前を覚える、自分から1回あいさつする、一つ質問してみるといった、達成可能な小さな目標で大丈夫です。
多くの新人職員は、早く完璧にならなければと思いがちですが、完璧を目指し続けると苦しくなってしまいます。だからこそ、小さな成功体験を積み重ねて、自信につなげることが大切なのです。
■スモールステップが成長を加速させる
前述したように、そうした小さな成功体験は自己肯定感につながっていきますし、「自分にもできる」と思えることが、次の成長への原動力になるはずです。
■比較するなら昨日の自分
そんな時に思い出してほしいのは、先輩たちにもそれぞれ積み重ねてきた時間があり、悩んだりがんばったりしながらたどり着いたのが、いまの姿だということです。なので、新人である自分と比べても、あまり意味がありません。もし、比較するとしたら、その相手は他人ではなく昨日の自分です。
・昨日より落ち着いて行動できた
・昨日より介護の知識が一つ増えた
ミスをしたときに考えてほしいこと
■失敗から何を学ぶかが重要
もし、失敗してしまったら、自分を責め続けるのではなく、次はどうしようかを考えてみてください。失敗を失敗で終わらせるのか、次に生かすための貴重な体験と捉えるか。気持ちの持ち方ひとつで、失敗が大きな糧になるはずです。
最後に
ご利用者との出会いの一つひとつが学びとなり、皆さんを育ててくれます。どうか焦らず、ご自身のペースで歩んでください。そして一日の終わりには、ご自身の小さな成長に目を向けてみてください。
新人の皆さんが、ご利用者に信頼され、仲間に支えられながら、介護福祉という仕事のやりがいを感じていけることを心から願っています。ご質問ありがとうございました。
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・けあぷろかれっじ 代表
・NPO法人JINZEM 監事
介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士