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新人介護職員の独り立ちまでの期間は?早く成長する人の特徴と仕事を覚えるコツを解説

新人介護職員の独り立ちまでの期間は?早く成長する人の特徴と仕事を覚えるコツを解説

介護施設に勤務する新人介護職員の方から寄せられたお悩みです。介護福祉士や社会福祉士、ケアマネジャーの資格を持つ専門家の後藤晴紀さんにご回答いただきました。新人介護職員が独り立ちするまでの期間の目安や、成長を早めるためのポイントについて詳しく解説していきます。【執筆者/専門家:後藤晴紀】


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本日のお悩み:新人介護職員の独り立ちまでの期間

介護職に就いたばかりの新人です。独り立ちまでの期間はどれくらいが一般的でしょうか?また、早く仕事を覚えて自立するために、意識したほうが良いことがあれば教えてください。

新人介護職員の成長を早めるために大切なこととは?

執筆者/専門家

後藤 晴紀

https://mynavi-iryofukushi.jp/media/users/9

『介護福祉は究極のサービス業』 私たちは、障がいや疾患を持ちながらも、その身を委ねてくださっているご利用者やご家族の想いに対し、人生の総仕上げの瞬間に介入するという、責任と覚悟をもって向き合うことが必要だと感じています。 目の前のご利用者に『生ききって』頂く。 私たち介護職と出会ったことで、より良き人生の総仕上げを迎えて頂ける為のサポートをさせていただく事が、私たちに課せられた使命だと思っています。

ご質問ありがとうございます。介護職を始められたばかりの新人の方でいらっしゃるのですね。新しい職場での勤務がスタートして数カ月。覚えることも多く、日々緊張感のある中で業務に取り組まれていることと拝察します。

新人職員が不安を感じるのは自然なこと

介護の仕事は、ご利用者一人ひとりの生活を支える仕事です。生活に寄り添うには介助方法だけでなく、ご利用者のお名前や身体状況、生活歴、人間関係、施設のルールなど、本当に多くのことを覚える必要があります。

そのため、「独り立ちまではどれくらいかかるのだろう」「自分は周りについていけているのだろうか」「もっと早く仕事を覚える方法はないだろうか」といった不安を抱く場面も多いと思います。実際、今回のご質問は、新人職員の方からよくうかがうお悩みです。もちろん、後藤自身も新人時代は同じような不安を抱えていました。

不安を感じた経験があるからこそ伝えられること

私の場合、周りがみんな仕事ができるように見えて、自分だけ覚えが悪い気がしました。また、早く一人前にならなければいけないと焦ったり、迷惑ばかりかけて申し訳ないと思ったりもしていました。特に最初の1カ月は、ご利用者のお名前を覚えるだけで精一杯でしたし、先輩の動きが魔法のように見えていた記憶があります。

新しい職場に入ったばかりのころは、「自分は何が分からないのか」すら分からないこともあり、そのたびに不安を抱えてしまうこともあります。
その後、25年以上この業界に携わり、人材育成や新人教育にも関わってきたからこそ、お伝えできることがたくさんあります。
今回は、介護職員が独り立ちするまでの期間と、少しでも早く成長するために意識したいポイントをお話しします。

新人介護職員の独り立ちまでの期間はどれくらいが一般的?

結論からお伝えすると、独り立ちまでの期間は施設によって大きく異なります。一口に介護施設といっても、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム、グループホーム、看護小規模多機能型居宅介護など、サービスの形態はさまざまです。ご利用者の状態も違えば、提供するサービスの内容や目的も異なります。

そのため、「何カ月で独り立ちできます」という共通の正解はありません。

経験者と未経験者の独り立ち期間の目安

ただし一般的には、経験者は3カ月~半年程度、未経験者は半年~1年程度で独り立ちする施設が多い印象です。もちろん、未経験者でも介護福祉士養成校卒業者と無資格未経験者ではスタート地点が異なるので、あくまで目安としてお考えください。

そして、ここで大事なのは、独り立ち=一人前ではないということです。介護職は3年、5年、10年と経験を積んでも学び続ける仕事です。後藤自身、いまなお学び続けていますし、介護福祉士の倫理綱領でも、資格取得後の継続的な自己研鑽の重要性が示されています。

介護も「学び続ける姿勢」が大切

少し話がそれますが、新人職員の方と面談する際、こんなお話をすることがあります。
「何かスポーツはやっていましたか?」
「上達するために何を意識していましたか?」
「やみくもに練習していたらうまくなると思いますか?」

最後の質問については、おそらく多くの方が「違う」と答えると思います。上達には、正しい方法での反復と失敗からの学びが必要だからです。介護も同じで、質を高めるには、働きながら知識や技術を磨き、失敗から学ぶことがとても大事です。独り立ちしても、そのことを忘れないようにしてください。

新人職員が戸惑う理由

新人職員が不安になる理由の一つに、覚えることの多さが挙げられます。ご利用者のお名前や疾患、生活歴、介助方法、記録方法、緊急時対応、委員会活動、行事運営など、数えはじめればきりがありません。

ですが、先輩職員も最初からそれらを覚えていたわけではありません。新人時代は誰もが、「何を聞けば良いのかさえ分からない」という状態からスタートしています。ですから私は、最初から完璧を目指すのではなく、一つのことを覚えてから次を覚え、分からなければ聞くということを繰り返すのが成長の近道だと伝えています。

まずは、ご利用者を知ることから始めよう!

新人教育でよく見られるのが、介助技術ばかりに意識が向いてしまうことです。もちろん介助技術は大切ですが、私は介護の本質は技術ではなく、福祉(幸せや豊かさ)に目を向けることにあると思っています。そのため、「介護福祉は究極のサービス業」だと話すことも少なくありません。

介護福祉は、ご利用者の人生の大切な時期に関わり、日々の暮らしを支える仕事です。だからこそ、新人時代は何ができるかよりも、どんな人なのかを知ることを優先してほしいと思います。

執筆者の施設で実践している取り組み

そうした理由から、後藤の施設では、新人職員に自身の情報を収集・整理することから始めてもらうようにしています。
<新人職員が整理する情報>

・どんな仕事をしてきたのか
・何が好きなのか
・何を大切にしているのか
・どんな人生を歩んできたのか

■会話の積み重ねがご利用者の理解につながる

こうした情報をまとめてもらい、ご利用者に自己紹介を兼ねてお話しするのです。すると、ご利用者は「昔は大工だったんだよ」「若いころは主人とよく旅行に行ってね」「畑仕事が好きでね」など、たくさんのお話を聞かせてくださいます。

また、会話の内容は必要に応じて記録に残し、ご利用者の同意や施設のルールに沿って、より理解を深めるために確認を行うこともあります。そうした会話の積み重ねが、ご利用者理解につながるからです。ケアのヒントになることもあるので、ぜひ参考にしてみてください。

早く成長する新人職員の共通点

これまで多くの新人職員を見てきた中で、成長が早い方にはある共通点がありました。それは、「分からないことを隠さない」ということです。

新人時代の言動でもっとも危険なのは、分かったつもりになることです。質問することが恥ずかしいことではありませんし、質問して疑問を解消することは成長につながります。分からないことをそのままにせず、素直に「教えてください」といえる人は必ず伸びるので、遠慮せず、遠慮なくご質問ください。

仕事を早く覚える新人職員が意識していること:メモ活用術

新人職員から、「どうしたら早く仕事を覚えられますか?」という質問をいただく機会も多くあります。そのとき私がおすすめしているのは、メモを活用することです。

ただし、手当たり次第にメモすれば良いというわけではありません。メモを取る際は、以下の内容を自分の言葉で整理して残しておくことが大切です。

・ご利用者ごとの特徴
・介助時の注意点
・先輩から教わったこと
・自分が失敗したこと
・次回気をつけたいこと
・細かな時間ごとのタイムテーブル

人は思っている以上に、忘れてしまいます。そうならないためにも、自分だけの参考書を作るような気持ちで、メモを取ってみてください。後で読み返したときに、必ず役に立ちますよ。

新人サポートで伝えていること:目標設定のコツ

私には、新人職員をサポートするときに、常にお伝えしていることがあります。それは、「1日単位の目標を立てる」ということです。

「目標を立てよう」といわれると、身構えてしまうかもしれませんが、過度に構える必要はありません。今日はご利用者3人の名前を覚える、自分から1回あいさつする、一つ質問してみるといった、達成可能な小さな目標で大丈夫です。

多くの新人職員は、早く完璧にならなければと思いがちですが、完璧を目指し続けると苦しくなってしまいます。だからこそ、小さな成功体験を積み重ねて、自信につなげることが大切なのです。

■スモールステップが成長を加速させる

人はできなかったことよりも、できたことを実感したときに成長します。昨日はご利用者の名前を2人しか覚えられなかったとしても、今日は3人覚えられたとしたら、それは大きな成長です。

前述したように、そうした小さな成功体験は自己肯定感につながっていきますし、「自分にもできる」と思えることが、次の成長への原動力になるはずです。

比較するなら昨日の自分

先輩は私より仕事が早い。記録がうまいし、ご利用者との関係づくりも上手に見える。そんなふうに周囲と自分を比べてしまうと、気持ちが苦しくなる可能性があります。

そんな時に思い出してほしいのは、先輩たちにもそれぞれ積み重ねてきた時間があり、悩んだりがんばったりしながらたどり着いたのが、いまの姿だということです。なので、新人である自分と比べても、あまり意味がありません。もし、比較するとしたら、その相手は他人ではなく昨日の自分です。

・昨日よりご利用者と話せた
・昨日より落ち着いて行動できた
・昨日より介護の知識が一つ増えた

そうした積み重ねが、いつか大きな成長につながるでしょう。

ミスをしたときに考えてほしいこと

失敗から何を学ぶかが重要

新人時代の仕事に失敗はつきものです。おそらく失敗しない人はいません。大切なのは、失敗したかどうかではなく、そこから何を学ぶかです。後藤自身も、これまでたくさんの失敗を経験してきました。しかし、振り返ってみると、自分をより成長させてくれたのは成功体験ではなく失敗体験だったと感じます。

もし、失敗してしまったら、自分を責め続けるのではなく、次はどうしようかを考えてみてください。失敗を失敗で終わらせるのか、次に生かすための貴重な体験と捉えるか。気持ちの持ち方ひとつで、失敗が大きな糧になるはずです。

最後に

介護はご利用者と関わりながら知識を深め、先輩に教わり、ときには失敗から学ぶことで、少しずつ成長していく仕事です。失敗や成功を積み重ねるうちに、「気がついたら、あのころできなかったことが当たり前にできるようになった」と思えるはずです。覚えられないことがあっても、落ち込む必要はありません。

ご利用者との出会いの一つひとつが学びとなり、皆さんを育ててくれます。どうか焦らず、ご自身のペースで歩んでください。そして一日の終わりには、ご自身の小さな成長に目を向けてみてください。

新人の皆さんが、ご利用者に信頼され、仲間に支えられながら、介護福祉という仕事のやりがいを感じていけることを心から願っています。ご質問ありがとうございました。

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この記事のライター

・けあぷろかれっじ 代表
・NPO法人JINZEM 監事

介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士

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