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マイナ保険証の移行で何が変わる?仕組みや家族への説明ポイントなどを紹介します!

マイナ保険証の移行で何が変わる?仕組みや家族への説明ポイントなどを紹介します!

2025年12月に健康保険証が完全廃止されたことを受け、介護現場で混乱しないために知っておくべき「マイナ保険証」の仕組み、現場で起こりやすいトラブル、家族への説明ポイントなどをわかりやすく紹介しています。【執筆者/専門家:伊藤 浩一】


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2025年12月に従来の保険証の利用が終了し、マイナンバー保険証になりました。

介護職として利用者さんのご家族から聞かれることもあると思い、知っておいたほうがよいことを教えていただきたいです。

マイナ保険証移行の全体像:制度転換の現在地

執筆者/専門家

伊藤 浩一

https://mynavi-iryofukushi.jp/media/users/14

茨城県介護福祉士会副会長 特別養護老人ホームもくせい施設長 いばらき中央福祉専門学校学校長代行 NPO法人 ちいきの学校 理事 介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント 介護福祉士 社会福祉士 介護支援専門員 MBA(経営学修士)

2024年12月に、従来の健康保険証の新規発行が終了。2025年12月2日には健康保険証が廃止され、マイナンバーカードを保険証として利用する「マイナ保険証」への移行が完了しました。そのため、「制度が変わるらしいけれど、現場として何を知っておくべきだろう」と不安を感じている介護職の方も、多いのではないでしょうか。

今回は、介護現場の実務目線から、制度のポイントを整理します

マイナ保険証とは?

マイナ保険証とは、マイナンバーカードに健康保険証の機能を統合したものです。医療機関や薬局の窓口で、マイナンバーカードをカードリーダーにセットすると、オンライン資格確認によって最新の保険情報が即時に反映されます。

先に紹介したように、健康保険証はマイナ保険証に一本化されましたが、ここで注意したいのは、「紙の保険証がすぐに使えなくなるわけではない」という点です。2024年12月以降は新規発行が停止されますが、有効期限内の保険証は最長1年間使用できます。また、マイナンバーカードを持っていない方には、「資格確認書」が発行されるため、医療が受けられなくなる心配もありません

現場では資格確認書での対応が多い

介護現場の肌感覚としても、資格確認書で受診している利用者さんのほうが圧倒的に多い状況です。受診同行の際も、マイナンバーカードを利用する方は少なく、資格確認書(または有効期限内の従来の保険証)で対応するケースが大半です。こうした状況には、カード管理の難しさや暗証番号への不安など、利用者さん側の心理的な事情も影響していると考えられます。

受診前に知っておかないと困る「現場の実例」

介護の現場で制度理解が求められるのは、受診付き添いのタイミングではないでしょうか。たとえば、受診の際に、ご家族から次のような質問が寄せられたら、みなさんはなんと答えますか?
  • 「次の受診って、もう紙の保険証は使えないんですか?」
  • 「マイナンバーカードを持っていけば大丈夫ですか?」
  • 「顔認証が不安なんですが、暗証番号は必要ですか?」
こうした質問にうまく答えられないまま受診当日を迎えると、受付での手続きが滞り、下手をすると受診ができない可能性もあり得ます。ちなみに、受付の際に特に重要なのは、「顔認証が通らなかった場合の暗証番号」です。高齢者は暗証番号を覚えていないことが多く、家族も把握していない場合は、本人確認ができません。

【専門家実体験あり】伊藤先生の失敗談

実は私自身、暗証番号を3回連続で間違えてしまい、カードをロックされた経験があります。ロック解除には市役所窓口での手続きが必要で、想像以上に時間と手間がかかりました

この体験から、利用者さんにも同じことが起こり得ると強く実感しています。介護現場では、次のことを事前に確認し、ご家族と共有しておくとよいでしょう。
  • 暗証番号を家族が把握しているか?
  • 受診前に資格確認書を持参しているか?
  • カード管理を誰が担うのか?

マイナ保険証のメリット:ケアの質の向上に寄与

不安の声がある一方で、マイナ保険証には介護現場にとって大きなメリットがあります

メリット1:医療情報の共有がスムーズ

本人の同意があれば、医療機関は薬剤情報や特定健診情報を参照できます。これにより、重複投薬の防止、服薬リスクの低減、医療職との情報連携の強化など、日常ケアの安全性が高まります。

メリット2:高額療養費制度の自動適用

従来必要だった「限度額適用認定証」の事前手続きが不要となり、受診がスムーズになります。介護職は医療情報を直接扱う立場ではないものの、服薬状況や体調変化の観察を担当する専門職です。医療情報の正確な共有は、介護の質向上にも直結するでしょう

現場で起こりやすいトラブルと対策

制度の移行期は、次のようなトラブルが発生しやすくなります。
  • 顔認証が通らない
  • 暗証番号が不明
  • 医療機関側のシステムエラー
  • カード紛失、再発行の遅れ
こうした事態を避けるには、暗証番号の確認や顔写真の更新を事前に行い、カード保管方法についても利用者さん・ご家族と共有しておくことが重要です。また、現状は資格確認書での受診が多いことから、当面は資格確認書を携行するのが安全策となります。

ご家族への説明で大切なポイント

ご家族も制度変更に不安を抱えているため、介護職からの丁寧な説明が安心につながります。説明するときに押さえるべきポイントは、次のとおりです。
  • マイナンバーカードがなくても、資格確認書で受診できる
  • 暗証番号管理の必要性
  • 当面は資格確認書を持参すると安心
こうした説明をするだけで、受診時の混乱は大きく減らせます。

まとめ:新制度で開かれる介護現場の未来

マイナ保険証は新しい制度であり、不安やとまどいがあるのは自然なことです。一方で、介護職がその仕組みを理解し、利用者さんやご家族に寄り添いながら活用を促していくことで、医療・介護・薬局の情報がスムーズにつながります

それによって、これまで煩雑だった書類確認や受診手続きの負担が軽減され、結果として現場の生産性向上にもつながるでしょう。

現場の生産性向上によって創出された時間を介護に活用することで、介護の質が高まっていく——。そんな明るい未来が、マイナ保険証によって開けていくのではないかと、私は考えます。

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