令和8年度介護報酬改定の概要
■執筆者/専門家
おかげさま社労士事務所 代表 元地域包括支援センター センター長 社会保険労務士、社会福祉士・主任介護支援専門員・介護福祉経営士1級・ ファイナンシャルプランナー2級(AFP)・簿記3級
■期中改定と改定率
この記事では、社会保障審議会介護給付費分科会の最新資料に基づき、改定の具体的な内容、現場への実務的・経営的影響、そして令和9年度の「本改定」に向けた真の課題について解説します。
※参照:厚生労働省 介護保険最新情報 令和7年12月25日
賃上げとコスト増への緊急対応
■1.介護従事者の処遇改善(+1.95% / 令和8年6月施行)
※参照:厚生労働省 令和8年度予算に関する「大臣折衝事項」について(報告)
■幅広い賃上げ(月額1.0万円相当)
■上乗せ措置(月額0.7万円相当)
■合計のインパクト
■2.食費の基準費用額の見直し(+0.09% / 令和8年8月施行)
■低所得者への配慮
現場への具体的影響:事務負担と経営の「選別」
■新たな算定要件と事務的ハードル
■ケアプランデータ連携システムへの加入
これは単なる加算取得の手続きではなく、業務のデジタル化を強制的に推進する性格を持っています。
※参照:厚生労働省 令和8年度介護報酬改定について
■生産性向上加算の取得
■経営への影響と「二極化」の懸念
また、ICT活用や協働化に対応できる大手・中堅法人と、投資余力や事務対応の時間をとることが難しい小規模事業所との間で、人材確保力に決定的な差がつく「二極化」が加速する可能性があります。
本質的な課題:処遇改善の「先」にある構造改革
■ケアの質と効率性のジレンマ
令和6年度改定の検証調査では、高齢者の自立支援や重度化防止に向けた対応が実効性を伴っているかが焦点となります。
■職場文化とリーダーシップ
処遇改善の制度がどれほど手厚くなっても、現場が疲弊し離職が止まらないという構造的課題は、各事業所の「組織力」に委ねられているのが実情です。
今後の展望:令和9年度「本改定」へのカウントダウン
2.サービス単価の再評価
3.効率化・適正化の推進
■1.地域区分の抜本的見直し
■2.サービス単価の再評価
■3.効率化・適正化の推進
最後に:制度を使いこなし、「選ばれる事業所」へ
経営者や現場リーダーに求められるのは、単に「加算が取れた」と喜ぶことではなく、この制度改正を「自社の業務プロセスを根本から見直し、職員のエンゲージメントを高める機会」として捉え直す姿勢です。
制度の向こう側にいる「利用者」と「働く人」の両者が幸せになれる環境をどう作るか。その真の答えは、報酬告示の数字の中ではなく、個々の現場の変革の中にあります。
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元地域包括支援センター センター長
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