本日のお悩み:介護情報基盤について知りたい!
介護情報基盤とは?新制度の目的と重要性
■執筆者/専門家
おかげさま社労士事務所 代表 元地域包括支援センター センター長 社会保険労務士、社会福祉士・主任介護支援専門員・介護福祉経営士1級・ ファイナンシャルプランナー2級(AFP)・簿記3級
今回のご相談は、2026年4月から運用開始が予定されている「介護情報基盤」についてですね。「介護情報基盤とはそもそも何なのか」「助成金はあるのか」という点は、これから介護に関わる方、すでに関わっている方にとって、大きな関心事だと思います。
介護情報基盤は、私たちの将来の介護生活をより良くするためのもので、「介護のデジタル社会インフラ」とも言える非常に重要な取り組みです。この機会に、その内容やメリットについて、きちんと把握しておきましょう。
2026年に開始される、介護情報基盤とは何か?
もう少し説明を加えると、これまで各介護事業所がバラバラに持っていた利用者情報や、アセスメント・ケアプラン・モニタリングの情報、報酬請求データなどを一元的に蓄積し、事業所と医療機関、自治体が安全に情報共有できるようにする仕組みが介護情報基盤です。
導入で期待される効果
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・利用者の状態変化を複数の専門職でリアルタイムに把握できる
・入退院情報の共有によって、入院・退院時の支援が円滑になる
・ケアマネと事業所の間で、書類や報告のやりとりを簡素化できる
・重複記録や転記ミスが減り、業務の効率化が進む
具体的にどんな情報が共有されるのか?
認定調査の結果や、主治医の意見書の内容などです。
2.レセプト情報(介護給付費明細書)
これまでどのような介護サービスを利用し、いくら費用がかかったかという記録です。
3.ケアプラン(居宅サービス計画書など)
ケアマネジャーが作成した、介護の目標や具体的なサービス計画の内容です。
4.LIFE(科学的介護情報システム)の情報
利用者の状態やケアの内容などをデータ化し、科学的な裏付けに基づいた介護(科学的介護)を推進するための既存システムのデータです。
5.医療情報との連携
ここが非常に重要なポイントです。
将来的には「全国医療情報プラットフォーム」と連携し、ご本人の病歴や服薬情報、検査結果などの医療情報と、日々のケアの記録がリンクするようになります。
導入によるメリットは?
■メリット1:劇的な「業務効率化」と事務負担の軽減
例として、新規利用者の受け入れ時の対応を考えてみましょう。これまでは、過去の情報を集めるために多方面へ電話やFAXをしていましたが、基盤が整備されれば、必要な情報をシステム上ですみやかに確認できるようになります。加えて、情報の転記作業や、紙書類の保管・管理といった事務作業も大幅に削減されるでしょう。
■メリット2:サービスの「質」向上と医療連携の円滑化
医師や看護師とリアルタイムに近い形で情報を共有できれば、退院後の在宅生活への移行も安心して進められるでしょう。LIFEデータを活用することで、科学的根拠に基づいた質の高いケアも実践しやすくなります。
■メリット3:職員の「働き方改革」と人材定着
そして、本来の業務に時間を使えれば、慢性的な長時間労働の是正や、職員の精神的・身体的負担の軽減につながります。「記録に追われる毎日」から解放されて、利用者と向き合う時間が増えるため、職員の仕事へのやりがい(ワーク・エンゲージメント)も高まるでしょう。
結果として、それが離職率の低下や新たな人材の確保といった、「人材定着」に結びつくはずです。
気になる「助成金」について
しかし、ご安心ください。事業所の負担を軽減するため、国では財政支援(助成金・補助金)を準備しています。
国による財政支援の方向性
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・既存の介護ソフトや、レセプトコンピュータを介護情報基盤に対応させるためのシステム改修費用
・新たにシステムを導入する場合の導入費用(パッケージソフトの購入費、クラウドサービスの初期費用など)
※執筆時点では、具体的な補助率や上限額などの詳細は未公表ですが、過去のICT導入補助金などを参考にすると、一定割合の補助が期待できます。
■ICT環境整備の必要性と今後の支援策
社労士視点での「助成」の捉え方
例えば、この基盤によって介護事業所の事務作業が効率化されれば、職員が利用者と向き合う時間が増えると考えられます。また、データに基づいた科学的な介護が普及すれば、要介護度が上がるのを遅らせ、ご家庭の将来的な介護費用負担を抑えられるかもしれません。
これらは目に見える「助成金」ではありませんが、長い目で見れば大きな経済的・精神的なメリットとなり得ます。
最後に:変化を恐れず新しい仕組みを活用しましょう!
介護の世界は今、大きな転換期を迎えています。この新しい仕組みが、介護を必要とする利用者とそのご家族、そして現場で働く方々を、真に「支える」力となるように、私たち専門家も注視し、正しい情報を発信し続けていきたいと思います。
変化を恐れすぎず、新しい仕組みを賢く活用していく姿勢で、より良い介護現場の未来を一緒につくっていきましょう。
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おかげさま社労士事務所 代表
元地域包括支援センター センター長
社会保険労務士、社会福祉士・主任介護支援専門員・介護福祉経営士1級・
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