転職を繰り返してしまう…短期離職の悩みに、3人の専門家が答えます

転職を繰り返してしまう…短期離職の悩みに、3人の専門家が答えます

自分自身の理想のすり合わせを行いましょう。短期離職を繰り返す人に対する、正直な印象は?無理せず、転職しても大丈夫。アドラー心理学「課題の分離」を知っていますか?【回答者:羽吹 さゆり 大庭 欣二 伊藤 浩一】


本日のお悩み

先月、デイサービスに転職しました。まわりの職員さんや先輩たちとあまりうまくいかず、「ここで働けなかったらどこへ行ってもダメ」と言われてしまいました。

私は41歳で、33歳から介護系の仕事を始めました。
いままでに11回転職していて(介護では6回)やっぱりどこへ行ってもダメなのかなと思ってしまいます。
転職の回数が多い人は、他の施設でも受け入れてもらえませんか?

自分自身の理想のすり合わせを行いましょう。

転職の回数が多いと焦ってしまいますよね。
実はこのようなケースは、相談者さん以外の方にも多く見受けられます。

■あなたが将来どうしたいか?を明確に

この場合は、自分の将来のビジョンがどのようなものかを明確にすることが大切です。
また、自分の将来のビジョンを明確にするためには
まずは「自分はなぜ理想の職場に出会えないのか」=「そもそも自分の理想とはなにか」を考えてみましょう。

案外、これを考えたことのない方やいつの間にか抜け落ちてしまっている方が多いように感じます。

■職場に求めることの優先順位を決めましょう

とはいえ、職場が全てご自分の理想に近ければ文句なしに従事していけると思いますが、現実的にはなかなか難しいはずです。
そこで、ご自分が職場に対して求める事柄の「優先順位」を決めておくことも重要になります。

一番は、お給料? 通勤時間? 職場の雰囲気? 人間関係?職種?
ここが曖昧だと、すぐに職場を変えてしまいたくなってしまうのではないかと私は思います。

例えば、ご自分の優先順位の1位が雇用形態、2位が職場の雰囲気だとします。
「今までずっと契約社員だったけれど、今回は正社員でボーナスもある。
でも、職場の雰囲気は少し暗いと感じている。」
そんな時も、ご自分の理想と、その優先順位が明確に把握できていると
我慢もしやすくなったり、努力もしようと前向きになれる傾向があるように思います。

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■最後に

仕事場に対しての、自分自身の理想のすり合わせをしてみましょう。
ご自分のなりたい姿がわからず、転職先の職場での課題が会社を辞めたい理由にすげ変わってしまっているように感じます。

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転職を繰り返してしまう人のお悩み

■やっぱり介護の仕事がしたいけど…短期離職を繰り返し、内定をもらえるか不安です

介護歴5年の20代です。短期離職が続いています。
1社目は3年未満、2社目は2ヶ月、3社目は9ヶ月です。
現在は今後のことをじっくり考える期間として一時的にパートをしています。
2社目以降は目標や目的を見失って介護の仕事を続けるか迷いがありました。

しかし、パートをする中で介護のやりがいを感じ、高齢者と関わることが好きだと再認識したことでやっぱり介護の仕事を頑張りたいと再び転職を決断しました。
ただ職歴が不安です。こんな職歴では内定をいただくのは難しいのでしょうか。

相談者:ぽん さん

回答者

短期離職を繰り返す人への、正直な印象は…

私は福祉業界で20年間延べ1,000名以上の方の採用に携わってきました。

その経験から正直にお答えさせていただくと、短期離職を繰り返される求職者に対しては、
ネガティブな印象を抱くことの方が多いです。
その理由は、履歴書を見た際に「うちでも、すぐに離職されるのでは?」
と考えてしまいがちであるからです。

離職を繰り返していても、内定は得られます

しかしながら「離職を繰り返す求職者は内定を得ることが難しいか」との問いには、
「決してそうではないですよ」とお答えしたいと思います。
採用側の社風や担当者にも異なりますので、必ずしもそうでない場合もあります。

以下は、私の経験からのお話として、捉えてください。

離職理由を説明し、想いを伝えましょう

採用担当者が離職を繰り返される方に確認したいのは、「なぜ離職をしたか?」だと思います。

質問に記してあるような介護への想いの変遷を、しっかりと伝えてみてはいかがでしょうか。
そこにしっかりとした理由があれば、短期離職から来るネガティブイメージは薄まります。

採用担当者は「この方は長く働いてくれるだろうか?」「職場に馴染んでくれるだろうか?」
「福祉や介護への想いはどうだろうか?」などを想像しながら、面接に臨みます。
その際に、求職者から醸し出される雰囲気や福祉や利用者さんへの想いなどは、
経歴よりも大切な選考要素となると思います。
ご自身の姿勢や言葉にその想いを丁寧に重ね、面接に臨まれれば、おのずといい結果は
ついてくると思います。

転職とは「縁」。見学や体験に足を運んでみてください。

最後にアドバイスを一点だけお伝えします。
転職とは「縁」だと思います。

こちらが良いと思っても、先方から断られることもあるし、その逆も然りです。
そして、長く続くこともあれば、あっという間に終わることもあります。
次の「縁」を末永いものにし、短期離職をこれ以上繰り返さないためにも
事前に見学や体験実習などで職場のことを出来るだけ理解したうえで、
就職先を選んでいくというのも一つの方法です。

もし良ければ、試してみてください。
良い縁と巡り合うことを、心から願っています。

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■転職を繰り返したくないけれど、毎日「もう無理だ」と転職サイトとにらめっこしてしまいます…

長年働いていた施設を退職しすぐ次の職場で働き始めたのですが、体力的に辛くなり約2週間で辞めました。
そしてその間に転職活動をし、今の職場にいます。もう1ヶ月になりますが、自信がなくなってきました。

今まで携わってきた利用者様の介護度が明らかに違うことや、スピーチ等人前で喋ることが多い施設なので、人見知りな性格をしている私には苦でしかありません。

周りの職員とも馴染めず、再度違う施設に転職しようと思っています。
そのような事を繰り返すのは良くないと思うんですが毎日もう無理だと思って転職サイトと睨めっこしてます。
私はどうしたらいいんでしょうか?

質問者:みい さん

回答者

無理せず、転職しても大丈夫ですよ

ご質問ありがとうございます。
まず質問者さん、現状が苦しいのであれば、無理をせず、再度転職をして良いと私は思います。
むしろ、このまま我慢し続ける方が、私は心配です。

アドラー心理学「課題の分離」という考え方を使ってみましょう

質問者さんの文脈を見ると転職を繰り返すことにより他人から見た自分のイメージがマイナスになるのではないか?ということに恐れを抱いていると受け止めました。
この「他人から自分がどう見られるか?」を気にすることは、人が社会生活を送るにあたり、誰しもが持つ大きなストレスですよね。

こんな時に役立つ一つの考え方をご紹介します。
それはアドラー心理学の「課題の分離」という考え方です。

課題の分離とは、「これは誰が考えるべき課題なのか?」という視点から、自分の課題と他者の課題を分離していくことを指します。

「課題の分離」を今の状況に当てはめてみましょう

この考え方で質問者さんの状況を捉え直してみましょう。

質問者さんは、今まで携わってきた利用者様の介護度が明らかに違うことに加え、スピーチ等人前で喋ることが多いことが、人見知りな性格の自分にとって苦でしかなく悩んでいる。

一方で、現在働いている施設さんは、おそらく職員教育も含め、スピーチを実施し、質問者さんにも良かれと思って促している。ということになるでしょう。
つまり、今の施設さんとは、お互いの課題が全く擦り合わないのは明確ですので、自分の課題を優先にバッサリ分離して良いということになります。もし、質問者さんが、自分の悩みを明確に話し、スピーチ辞退を願い出てても「なんであの人だけ?」という視線が残るのは明確で、新たな悩みとなってしまいそうですね。

転職の理由をしっかり伝えましょう

そして、本題である転職を繰り返すことに対する負い目についてです。転職を繰り返すことが履歴書に残ることによって、再就職が困難になっていく不安があると思います。

しかし、質問者さんは、冒頭に長年働いていた施設があると書いていらっしゃいました。
面接担当者は、この長年働いていたという事実はプラスに捉えるでしょう。
そこで、長年働けた理由と短期間しか働かなかった理由を整理し、面接の際、しっかり伝える。
そして、合わないと思ったらバッサリ自分から辞退する。相手にあわせる必要はありません。

質問者さんが考えるべきなのは、「自分の課題」です。

「人見知り」は素晴らしい個性です

人見知りをポジティブに捉え直すと「思慮深く相手のことを考えることができる」となります。
素晴らしい個性ですよね。
自信をもって質問者さんがここと思う転職先を見つけてください。

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この記事のライター

・(有)⽻吹デザイン事務所介護事業部アモールファティ代表
・アモールファティスクール⻑

介護福祉⼠/介護⽀援専⾨員/介護技術指導員/⽇本語教員/社会科教員
介護職員実務者教員/社会福祉主事任⽤

理論と経験に基づく「優しく丁寧に美しい介護」を理念に実践的な介護技術研修/コミュニケーション研修及び介護離職防止の為一般企業様向けに「介護セミナー」を実施しています。

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