マイナビ医療福祉キャリア
男性職員でないと入浴介助がうまくいかない利用者さん。シフト上難しいときの対策は?

男性職員でないと入浴介助がうまくいかない利用者さん。シフト上難しいときの対策は?

「同性介助が基本」はどんな場面でも通用する考え方なのか?改めて考えてみよう 。トライ&エラーを繰り返し、成功したケースを分析して確率を上げていく【回答者:古畑 佑奈 羽吹 さゆり】


「同性介助」について改めて考えてみよう

羽吹 さゆり

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/7

・(有)⽻吹デザイン事務所介護事業部アモールファティ代表 ・アモールファティスクール⻑ 介護福祉⼠/介護⽀援専⾨員/介護技術指導員/⽇本語教員/社会科教員 介護職員実務者教員/社会福祉主事任⽤

「介護職員」の求人を見る

そもそも「同性介助が基本」はどんな場面でも通用する考え方なのか?

「同性介助が基本」と言われることがありますが、はたして本当にそうでしょうか?

例えばですが、身体の大きな女性のご利用者の移乗介護は? ご利用者の方でも女性より男性の介護職員の方が安心できるとういうケースもあります。
「同性が良い」又は「当たり前」という考え方は、少し進歩性がないのではないでしょうか。

重視すべきは性差ではない

ご利用者の方々の中には、自分ごととして、一つ一つのケアを真剣に観察している方もいます。自分にどのようにケアをしているか、自分の羞恥心に対してどのような配慮をしてくれるか、そのような気持ちを常に張り巡らせているかもしれません。


例えば、女性のご利用者を女性職員が入浴介助をしたとします。それでも、ご利用者の「自分だけ裸になって恥ずかしい」という気持ちに配慮していなければ、ご利用者の方は満足できないかもしれません。

反対に、男性職員が「自分が男だから恥ずかしいだろうな」と気を遣いながら入浴介助をしたことで、「あの職員さんはとても優しい人」という印象を持つことになり、その後の排泄の介助等もスムーズにいったというケースもあります。

同性であることに甘えないことも大切

同性介助の方が職員を受け入れやすいのは確かだと思いますが、それに甘んじてケアをしてしまうと、ご利用者から信頼してもらえない可能性もあることを意識していただきたいです。

ケアのシーンでは常に、「どのような気持ちで介護されているのだろうか」ということに関心を持つことが大切です。元気であれば自分でやりたいだろうなと、ご利用者さんの気持ちに寄り添うことができれば、自然と職員の態度、言葉遣い等にも配慮が現れてくるのではないかと思います。

性差を感じさせない対応ができるのがプロ

性差を感じさせない対応こそが、ケアの専門性が問われるポイントです。

なので、男性のご利用者は女性職員に対して恥ずかしくないという概念もおかしいのです。男性こそ、今まで第一線のなかで働いていた方です。プライドもあります。プライドが高ければ高いほど羞恥心も高いのではないでしょうか。

確かに、いつもは同性介助を受けている方が、例外的に異性の介助を受けることになった場合は、身構えもするかもしれません。しかし、逆に自分の「腕の見せどころ」と捉えて臨んでみてはいかがでしょうか。
さまざまな事象も自分のスキルアップのチャンスと考えていただけたらと思います。

「介護職員」の求人を見る

関連するお悩み 

女性の介護士が介助するとうまくいかない(とくに入浴介助)利用者さんがいて、苦戦しています。
いろいろと試してみたのですが、男性の職員だとスムーズでした。
人員の配置の問題もあり、毎回男性職員に、というわけにもいかず、みんなでいろいろ考えながら取り組んでいますが、こういうとき専門家の方はどのように対処されますか?
ぜひヒントをください。

トライ&エラーを繰り返し、成功したケースを分析して確率を上げていく

古畑 佑奈

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/19

社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員

ご質問、非常によくわかります!

苦戦しますよね……それで、時々スムーズに入浴出来たりすると心の中でガッツポーズですよね。
同じようなケースで悩んでいらっしゃる方も、とても多いのではないかと思います。
個別性が高いので「これ!」といった万能の解決法がなく、また同じ方でも、職員の対応は同じなのに日によって気分が全然乗らない、ということも多いですよね。

いろいろと試している中で、「男性なら比較的スムーズ」という傾向がわかった時点で、素晴らしいと思います!

入浴介助だけでも男性職員手伝ってもらうのがベストですが…

みなさんで考えていらっしゃるということだったので、その方の生活歴や過去にあったことなどは把握されているのかな、と思います。

きっと、出来る限りその方の意向に合わせた対応をとれるよう、すでに考慮されているのだと思いますが、職員が複数いる施設であれば、他のユニットやフロアにも相談し、最善策は入浴介助だけでも男性職員が対応できるように調整するのがよいのではないかと思います。

ただ、ご質問にあるようにどうしてもシフト上難しい日もありますよね……
確率を上げるために、出来そうなことを2つ考えてみました。

解決策①スムーズなときのデータを取って傾向を把握する

1つは、スムーズにいったときの記録を細かく分析し、傾向を探ることです。
その際、利用者の方の様子や職員の言動だけではなく、天気や室温といった気候状況や、時間、フロアの状況など、出来るだけ細かい視点でデータに出来ると、傾向が把握しやすいかと思います。

ただこれは、もう既にされていることかもしれませんね。
個人的には、スムーズに介助できる場面にどのような傾向があるのかは興味があるところです。
(単に男性なら誰でも大丈夫なのか、女性の介助でスムーズにいった場合はどんな時かなど)

解決策②男性職員を「演じる」

また2つ目に、男性ならスムーズ、ということで、女性職員が男性を演じることです。
演じる、と言われても困るかなと思いましたが、わかりやすく変化が出せるのが、声のトーンと、服装です。
(介護と演劇は、親和性が高いと思っています。「老いと演劇」、ぜひ調べてみてください)

高齢になると高い音が聞きづらくなりますので、もしかしたら、男性の低めの声やトーンが聞きやすいのかもしれません。

また、服装については男性職員だからみなさん暗い色を着ている、というわけではないと思いますが、色彩が与える影響も要素の1つにはなるのではないか?と考えました。

最後に

正直なところ、全然納得のいくお答えが出来なくて、へこんでいます。笑
でも、こんな感じであれこれいろいろと考えるのが、ケアの醍醐味ですよね。
質問者さんは、チームでその考える作業が出来ていますし、その経験が他の方のケアにも生かせると思います。

結論としては、トライ&エラーをひたすら繰り返して、成功したケースを分析して確率を上げていく、ということです。
上手くいったケースあったら、ぜひとも教えてください!

「介護職員」の求人を見る

この記事のライター

社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員

関連する投稿


6月におすすめの高齢者向けレクリエーションとは?梅雨でも楽しめる実践型レクリエーションを紹介

6月におすすめの高齢者向けレクリエーションとは?梅雨でも楽しめる実践型レクリエーションを紹介

6月の高齢者レクリエーションに悩む方へ。梅雨でも室内で楽しめる運動・一体感・認知機能向上につながる実践アイデアを専門家が解説。現場ですぐ使える具体例を厳選紹介。【執筆者/専門家:後藤 晴紀】


介護職員初任者研修のオンライン受講のルールは、2027年度からどう変わる?

介護職員初任者研修のオンライン受講のルールは、2027年度からどう変わる?

2027年度から、介護職員初任者研修の受講ルールが大きく変わります。コロナ禍で特例的に認められてきた「完全オンライン型研修」は終了し、今後は対面とオンラインを組み合わせた新たな枠組みへと移行します。受講の利便性が高まる一方で、質の担保がこれまで以上に問われる時代になります。本記事では、制度改正のポイントと現場に求められる対応について整理します。【執筆者/専門家:脇 健仁】


介護の資格(王道〜キャリアアップ〜専門特化まで)難易度・費用・期間など徹底解説【2026年版】

介護の資格(王道〜キャリアアップ〜専門特化まで)難易度・費用・期間など徹底解説【2026年版】

介護資格はどれを選べばいい?本記事では介護資格32種類を一覧で比較し、難易度・費用・期間・キャリア別にわかりやすく解説。未経験からキャリアアップまで自分に合った資格が見つかります。【執筆者:ささえるラボ編集部】


介護職員等処遇改善加算とは?令和8年度介護報酬改定のポイントを徹底解説

介護職員等処遇改善加算とは?令和8年度介護報酬改定のポイントを徹底解説

令和8年6月、介護業界にとって大きな転換点となる制度改定が行われます。人材不足や賃金格差といった課題への「緊急対応」として、今回の処遇改善が実施されます。対象職種・サービスが大幅に拡大されるほか、テクノロジー活用が賃上げと直結するなど、これまでにないインパクトがあります。現場と経営にどのような変化をもたらすのか。本記事では、制度の全体像と実務対応のポイントを分かりやすく解説します。【執筆者/専門家:山本 武尊】


介護環境の地域差を完全解説|格差の原因と今後の生存戦略【2026年最新版】

介護環境の地域差を完全解説|格差の原因と今後の生存戦略【2026年最新版】

介護環境の地域差が深刻化する中、地方と都市部で何が起きているのかを専門家が解説。格差の原因から今後の戦略(M&A・ICT・人材活用)まで網羅的に理解できる実践ガイド。【執筆者/専門家:山本 武尊】


マイナビ医療福祉キャリア 閲覧ランキング
【北海道・東北】
【関東・甲信越】
【北陸・東海】
【関西・中四国】
【九州・沖縄】

最新の投稿


第198話 「花火大会」/ほっこり介護マンガ

第198話 「花火大会」/ほっこり介護マンガ

「介護職員・並木マイの ほっこり成長日記 ~転職して、介護の仕事はじめました~」 保険会社から介護の仕事に転職した、並木マイさん(31歳)の成長と 介護現場のあるあるを描く、ほっこり癒し系マンガ! 休憩時間、このマンガを読んだあなたが クスっと笑えてちょっと癒され、ほっこりした気持ちになれますように。


第197話 「彦星さま…?」/ほっこり介護マンガ

第197話 「彦星さま…?」/ほっこり介護マンガ

「介護職員・並木マイの ほっこり成長日記 ~転職して、介護の仕事はじめました~」 保険会社から介護の仕事に転職した、並木マイさん(31歳)の成長と 介護現場のあるあるを描く、ほっこり癒し系マンガ! 休憩時間、このマンガを読んだあなたが クスっと笑えてちょっと癒され、ほっこりした気持ちになれますように。


AIが介護職の仕事に与える影響とは?明確になる人の役割も徹底解説

AIが介護職の仕事に与える影響とは?明確になる人の役割も徹底解説

AIの進化によって「仕事が奪われる」という不安が語られる今、介護の現場ではまったく異なる変化が起きています。記録や事務といった業務はAIが担う一方で、人にしかできない役割である「判断する力」や「察する力」の価値が、これまで以上に浮き彫りになっているのです。AI時代において、介護という仕事はどのように変わり、何が専門性として残るのか、その本質に迫ります。【執筆者/専門家:伊藤 浩一】


6月におすすめの高齢者向けレクリエーションとは?梅雨でも楽しめる実践型レクリエーションを紹介

6月におすすめの高齢者向けレクリエーションとは?梅雨でも楽しめる実践型レクリエーションを紹介

6月の高齢者レクリエーションに悩む方へ。梅雨でも室内で楽しめる運動・一体感・認知機能向上につながる実践アイデアを専門家が解説。現場ですぐ使える具体例を厳選紹介。【執筆者/専門家:後藤 晴紀】


第196話 「気象予報士」/ほっこり介護マンガ

第196話 「気象予報士」/ほっこり介護マンガ

「介護職員・並木マイの ほっこり成長日記 ~転職して、介護の仕事はじめました~」 保険会社から介護の仕事に転職した、並木マイさん(31歳)の成長と 介護現場のあるあるを描く、ほっこり癒し系マンガ! 休憩時間、このマンガを読んだあなたが クスっと笑えてちょっと癒され、ほっこりした気持ちになれますように。


マイナビ医療福祉キャリア
「マイナビ医療福祉キャリア」は、医療・福祉・介護職に特化した中途、パート向け求人サイトです。
医師、看護師、薬剤師、歯科医師、介護職・ヘルパー、保育士、リハビリ職、技術職、事務職など、専門性の高い職種に特化した求人情報を多数掲載しています。
雇用形態や詳細条件での求人検索もできるのであなたにぴったりな職場が見つかります!
【職種から求人・転職情報を探す】