介護職のシフト不満はなぜ起こる?
■執筆者/専門家
高校卒業後は販売や営業事務などさまざまな職種を経験するも、ハラスメントによる退職をきっかけに「心や体が弱っている人の力になりたい」と一念発起。40代目前で大学に入学し、病棟のナースエイドとして働きながら、介護福祉士・社会福祉士などの資格を取得する。約10年にわたり、病院やデイサービスで介護職員・相談員として勤務。現場を知る専業Webライターとして、介護福祉関連の記事を多く執筆している。
けれど、シフトへの不満を放置していると、モチベーションの低下や離職につながりかねません。まずは、シフトの不満が起こる背景を理解し、上司に希望をうまく伝える方法を知るところから始めましょう。
介護職がシフトに不満を感じるケース
・休暇の配分が不公平だと感じる
・仕事と家庭との両立が難しい
■不規則な勤務が続き疲労感が強い
働く時間が毎日変わると、生活リズムに乱れが生じることも珍しくありません。その日と翌日のシフトによっては、眠る時間帯に調整が必要になることもあります。
■蓄積する疲労と体調不良のリスク
心身ともに健康な状態で仕事に取り組むためにも、シフトの改善は大きな課題と言えるでしょう。
■休暇の配分が不公平だと感じる
私が勤めていた職場でも、Aさんは毎週土日に休みをとっているのに、Bさんはずっと平日休みばかり、といった状況がありました。もちろん、それぞれに事情はあります。しかし、「自分以外の人が優遇されている」と感じながら働くのはつらいものです。
■我慢し続けることの危険性
■仕事と家庭の両立が難しい
家族の協力が得られたとしても、学校行事に出にくかったり、必要なときに子どもの側にいられなかったりと、シフトによっては私生活に大きく影響が出ます。家庭を大切にできないと感じると、離職を考えるきっかけにもなるでしょう。
シフトがきつくなる原因と職場の事情
・急な欠勤・トラブルで負担が一気に増える
・シフトを作成する人のスキルが足りない
■人手が足りず、常にシフトが回らない
必要最小限の人数でシフトを回していると、当然一人あたりの業務負担は重くなります。場合によっては、職員に残業や休日出勤を依頼せざるを得ません。
求人を出しても人材が集まらなければ、今いる介護職員の負担が更に増してしまうケースも考えられるでしょう。
■急な欠勤・トラブルで負担が一気に増える
■想定外の対応が負担を増やす
私も、家庭の事情で勤務当日に休んだ同僚にかわって、急遽夜勤になったことが何度かあります。もちろん「困ったときはお互いさま」の精神はありましたが、自分の体調もよくなかったため、大きな負担を感じたことを覚えています。
■シフトを作成する人のスキルが足りない
なかには、子育て中の職員に夜勤を多く入れたり、通院のために出していた希望休を忘れられたりといったケースもあります。
■現場の声を反映できる体制づくり
シフトの不満を上司・責任者に伝えるポイント
■事実と感情を分けたうえで、事実をメインに話す
いつも私ばかり夜勤が多くて不公平です!
【おすすめの伝え方】
過去3カ月のシフトを確認したところ、私の夜勤回数は〇回で、他の職員の平均と比べて〇回多い状況です。体調に影響が出てきているので、相談させていただけないでしょうか?
■話し合いの結果を記録する
記録する項目は次のとおりです。
・詳しい相談内容
・上司からの返答
・今後の改善策や対応について話したこと
■メモに残すときのポイント
〇月〇日、〇〇部長とシフトについて相談。夜勤回数が多い現状を伝え、改善を要望した。
部長からは来月以降のシフトで考慮するとの回答あり、〇月〇日までに次のシフト案を確認することになった。
■シフトの不満を伝える例文
不満を伝える際は、本題に入る前に上司に対して、「話をする時間を設けていただき、ありがとうございます」と謝意を伝えるとていねいです。
■子育てと夜勤の両立が難しい場合
現在、夜勤明けに保育園の送迎や子どもの通院が重なる日が多く、心身ともに限界を感じています。先月も夜勤明けの日に子どもの発熱があったため、急遽保育園に迎えにいき、そのまま病院へ連れていきました。
そうしたことから、十分な休息がとれず、仕事に集中できない状況になっています。健康にも不安があります。今後も家庭と仕事を両立しながら、この施設に貢献していきたいと考えていますので、夜勤の回数を減らし、日勤を増やしていただけないでしょうか。もし難しいようでしたら、何か良い方法がないか、ご一緒に検討いただけますと幸いです。
■休み希望が通らないことが続いている場合
先月から今月にかけて、計3日の希望休を申請しました。しかし、残念ながら反映されない状況が続いており、大切な予定を諦めざるを得ませんでした。他の職員との調整が必要なことは重々承知しているのですが、今の状況だと就業意欲を維持することが難しくなりそうで不安です。
すべての希望を通していただくのは難しいと思いますが、可能な範囲で希望休を認めていただけないでしょうか。
■夜勤の回数に偏りを感じる場合
この数カ月間のシフトを拝見したところ、私の夜勤回数が他の同僚と比べて多いように感じています。過去2か月間で私の夜勤は6回でしたが、他の職員の方は平均3~4回でした。
最初は問題なく働けていたのですが、最近は生活リズムを整えるのが難しくなっています。疲れているのに寝つけず、日中の業務にも影響が出始めている状態です。
これからも、この職場でみなさんと働きたいので、夜勤の回数について調整を検討していただけるとうれしいです。
シフトの悩みを解決するための選択肢
毎月のシフトについて、早期の解決が見込めない場合は、視点を変えてみるのも1案です。ここからは、シフトの内容をすぐに変えられないときの選択肢について解説していきましょう。
■配置や勤務形態の変更を相談する
■働き方を見直した成功事例
そのように、今の生活やこれからのキャリアプランを考えながら、心身の健康を保ちながら働ける方法を探っていくことも大切でしょう。
■スキルアップし職場への貢献度を高める
また、積極的に研修に参加して知識を深めたり、リーダーシップを発揮してチームをまとめたりすると職場からの信頼が高まり、自分の意見を述べやすくなるはずです。
職場改善やケアの質向上に積極的な姿勢を見せれば、より働きやすい環境をつくっていけるでしょう。
■改善されなければ転職も視野に入れる
■働き方を見直して環境を変えた事例
ハローワークや転職エージェントの力を借りながらの転職活動でしたが、「理想的な職場に出会えた」と喜んでいました。
まとめ:シフトの不満は穏やかな伝え方を意識しよう
現在の介護職員不足は深刻ですが、だからといって我慢してばかりだと心身の健康を損ねるかもしれません。限界を迎える前に、上司に相談してみましょう。
相談したからといって、すぐに解決には至らないかもしれませんが、自分の苦しい状況を知ってもらうだけでも価値はあります。今の職場で楽しく元気に働き続けるためにも、上司とコミュニケーションを図り、冷静に現状を伝えましょう。
■相手を尊重した伝え方を意識する
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介護福祉士・社会福祉士