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日本は超高齢社会に│高齢社会との違いや問題点、医療・介護現場の現状や対策を解説

日本は超高齢社会に│高齢社会との違いや問題点、医療・介護現場の現状や対策を解説

日本は世界に先駆けて、65歳以上の割合が21%を超える「超高齢社会」へと突入しました。それに伴い、医療・介護のニーズは、量と質の両面で急拡大しており、現場では業務負担の増大や人材不足が深刻な課題となっています。本記事では、「超高齢社会」の定義を整理した上で、医療・介護現場で顕在化している課題と、現場で行われている対応策について解説します。【執筆者:ささえるラボ編集部】


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<この記事で分かること>
・超高齢社会の日本の現在地が分かる
・超高齢社会における医療と介護の課題が分かる
・医療と介護現場で行われている超高齢社会への対策が分かる

日本の現状を整理する

執筆者

ささえるラボ編集部

https://mynavi-iryofukushi.jp/media/users/3

ささえるラボ編集部です。 医療・福祉・介護の仕事にたずさわるみなさまに役立つ情報をお届けします! 「マイナビ医療福祉キャリア」が運営しています。

日本は、世界でも類を見ないスピードで高齢化が進んだ国であり、「超高齢社会」の最前線に立っています。本章では、「超高齢社会」の定義と日本の現在地、ここに至るまでの背景、そして2040年に想定されている問題について整理します。

「超高齢社会」とは?

高齢化の進行度は、高齢化率(65歳以上人口の割合)によって段階的に分類され、高齢化率が7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」と呼ばれます。

日本は、超高齢社会の基準である高齢化率21%を大きく上回り、2025年時点で高齢化率が29.4%に達しました。また、65歳以上の人口は3,619万人となっており、「国民の約3人に1人が高齢者」という社会が現実になりつつあります。

イタリアやポルトガルをはじめとする欧州諸国でも高齢化は進んでいますが、日本のように急速かつ高い水準で進行している国は限られています。そのため、日本の動向には世界的に注目が集まっている状況です。

超高齢社会が進んだ背景にあるのは?

日本で高齢化社会が急速に進んだ背景には、「少子化」と「長寿化」という二つの要因が関係しています。

少子化

日本では、出生率の低下によって子どもの数が減少する「少子化」が進行しています。厚生労働省が2026年2月に公表した人口動態統計速報によると、2025年の出生数は70万5,809人で、10年連続で過去最少を更新しました。なお、この数値には日本で生まれた外国人なども含まれます。少子化が進めば、若年人口が減少する一方で、高齢者の割合が相対的に高まっていきます。子どもの数が減り、高齢者が増加すれば、人口全体に占める高齢者の比率は更に上昇していくでしょう。

少子化は将来の支え手となる現役世代の減少にもつながることから、社会保障制度や労働力不足にも大きな影響を及ぼしていくことになります。

長寿化

医療技術の進歩や生活環境の改善、栄養状態の向上などにより、日本人の平均寿命は大きく延伸してきました。厚生労働省が2025年7月に公表した2024年の簡易生命表によると、日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性87.13歳となっており、世界でもトップクラスの水準にあります。特に女性の平均寿命は、長年にわたり世界最高水準を維持している状況です。

また、平均寿命の延伸によって、高齢期(一般的に65歳以上)も長期化しています。その結果、医療や介護を必要とする期間が長くなり、継続的な支援や地域全体で支える体制づくりの重要性が高まっています。

2026年現在の日本社会と「2040年問題」

2026年現在、日本は「2025年問題」が顕在化し、その影響が現実のものとなっています。
2025年問題とは、1947~1949年生まれの団塊世代がすべて75歳以上の後期高齢者となり、医療・介護ニーズや社会保障費が急増することを指す言葉です。

後期高齢者は、医療や介護を必要とする割合が高く、医療費・介護費の増加は社会全体に大きな影響を及ぼします。実際、医療・介護現場では高齢者支援の需要が急速に高まっており、介護人材不足や現役世代の負担増も、これまで以上に大きな課題となってきました。

「2025年問題」と「2040年問題」の違い

また、この先には、更に深刻な「2040年問題」があると指摘されています。

2040年問題とは、1971~1974年生まれの団塊ジュニア世代が高齢期を迎え、高齢者の割合がピークに達する問題です。一方で、生産年齢人口が大きく減少し、社会保障制度の持続可能性が課題として指摘されています。

2025年問題が「高齢者の増加による社会保障費の拡大」が中心であるのに対し、2040年問題は「支える側の人口減少」がいっそう進む点に特徴があります。生産年齢人口の急減は、医療・介護分野をはじめとした人材不足や社会保障費の増大、経済の縮小など、社会全体に幅広い影響を及ぼすでしょう。

超高齢社会で顕在化する医療と介護の課題とは?

超高齢社会の進行によって、医療・介護現場ではどのような課題が生じているのでしょうか。詳しく見てみます。

医療の課題—マルチモビディティと在宅医療への対応

超高齢社会が進行し、受診者が増加する中、患者の状態や必要とされる支援にも変化が認められます。

高齢者、特に後期高齢者には、複数の慢性疾患を同時に抱える「多疾患併存(マルチモビディティ)」の状態が多く見られます。高血圧、糖尿病、心疾患、腎機能低下といった複数の疾患が併存すれば、診療や治療が高度化・複雑化するだけでなく、ADL(日常生活動作)の低下にもつながりかねません。薬の多剤併用(ポリファーマシー)の可能性も高まるでしょう。そのため、単一の疾患を対象とした従来型の医療では、対応が難しくなることが指摘されています。

■課題と連なるニーズ拡大

更に、入退院を繰り返すケースの増加や、在院日数の長期化も大きな課題です。そうした状況では治療だけでなく、退院後の生活を見据えた支援やリハビリテーションが不可欠となるため、医療機関には包括的な対応が求められるでしょう。

加えて、在宅医療のニーズも急速に拡大しています。通院が困難な高齢者の増加により、訪問診療や訪問看護の重要性が高まっており、医療の提供場所が「病院中心」から「地域・在宅」へとシフトしつつあります。

介護の課題—認知症高齢者の増加と老老介護

医療と並行して、介護ニーズの拡大も顕著です。要介護認定者の増加に伴って、介護の重度化や援助内容の細分化・複雑化も進んでいます。

そして、その大きな要因となっているのが、認知症高齢者の増加です。認知症は、身体的な介助だけでなく、見守りや安全確保、行動・心理症状への対応など、人的負担の大きいケアを必要とします。そのため、単純に人手を確保するだけでは対応しきれず、ケアの量と質の両立が課題となっているのです。

また、「老老介護」や「認認介護」といった状況も増加しています。高齢者が高齢者を介護するケースや、認知症の家族同士で支え合うケースは、介護負担の深刻化を招きやすく、家庭内の支援だけでは限界があることを示しています。

医療・介護現場で深刻化する人材不足

医療職・介護職ともに慢性的な人手不足に直面しており、現場では一人あたりの業務負担が増加しています。

医療職・介護職には、身体的・精神的な負担に加えて、処遇面の課題もあり、離職率が高い状態が続いています。現場の持続性を維持し、質の高いサービスを提供し続けるためには、この「人手不足→負担増→離職→更なる人手不足」という悪循環を解消する必要があるでしょう。

■地域格差の影響

加えて、地域による格差も無視できません。都市部と地方では人材確保の難易度が異なり、過疎地域ではサービスそのものが維持できなくなるリスクが指摘されています。人材不足は単なる労働問題ではなく、サービスの質や提供体制に直結する構造的な課題です。ケアを必要とする人がいても、それを担う人材がいないという現実が各地で顕在化しつつあるため、早急な対策が望まれるでしょう。

医療・介護現場で進む対策と変革

医療・介護のニーズの増加と複雑化、そして人材不足の深刻化という課題に対応するため、現場ではさまざまな取り組みが進められています。

ここからは、医療と介護の現場を支えるために、具体的にどのような対策が進められているのかをお伝えします。

地域包括ケアの推進

超高齢社会においては、医療と介護を切り離して考えることはできません。そのため、近年は地域単位で包括的に支える、「地域包括ケア」の考え方が重要視されるようになりました。

地域包括ケアとは、高齢者が住み慣れた地域で生活を続けられるように、「医療・介護・予防・住まい・生活支援」のサービスを一体的に提供するしくみです。高齢者の自分らしい暮らしを地域全体で支える点に特徴があり、在宅医療と訪問介護の連携強化、地域の多職種による情報共有、ケアマネジメントの質の向上など、地域ごとにさまざまな施策が進められています。

■地域単位での支えあい

また、自治体や地域住民、民間事業者などの団体が連携することで、支援の幅を広げる取り組みも見られます。

例えば、広島県の尾道市では、早くから「尾道方式」と呼ばれる地域包括ケアの取り組みが進められてきました。これは、地域包括ケアの先進事例の一つとして紹介される取り組みで、尾道市医師会を中心に、病院、診療所、介護事業者、行政などが日常的に連携し、退院後も途切れることのないサポート体制を構築しています。

医療・介護・福祉のスタッフや患者、家族が一堂に会する、ケアカンファレンスが継続的に実施されており、必要に応じた包括的なサービス提供につながっています。このような地域単位での支え合いは、高齢者の生活の質(QOL)を維持・向上させるだけでなく、医療・介護従事者の負担軽減にもつながるでしょう。

テクノロジーの活用

業務効率を高め、人材不足を補う手段として、テクノロジーの活用も進んでいます。代表的な取り組みとして、ICTやDXの推進があります。ここ数年は、オンライン診療や電子カルテ、医療・介護間の情報共有システムなどの活用により、事務作業の効率化や連携強化が各所で進められてきました。遠隔診療も、在宅ケアを支える手段として注目されています。

■介護ロボットの活躍

介護ロボットの導入も増加傾向にあり、移乗介助や移動支援、入浴支援、見守り支援など、介護職員の身体的・時間的負担の大きい業務で活躍しています。

例えば、東京・大田区の社会福祉法人善光会では、「ハイブリッド特別養護老人ホームプロジェクト」と題して、これまでに200種類以上の介護ロボットを導入。職員から負担軽減や作業効率化を実感する声が報告されるなど、複数の成果を挙げています。

人材確保と定着に向けた取り組み

■介護分野での取り組み

介護分野では、人材確保と定着に向けた取り組みとして、介護職員の処遇改善(賃金改善、各種手当の充実など)が段階的に進められています。あわせて、技能実習制度や特定技能制度などを通じて、海外からの人材受け入れ制度も整備されており、人材確保の一助となっています。
また、過疎地域や中山間地域では、国の支援制度を活用しながら移住支援や定住促進、資格取得支援などを実施。地域の実情に応じた取り組みが進められています。

人材確保に加えて、働きやすい職場環境の整備も進められており、業務負担の分散や勤務形態の柔軟化、メンタルヘルス対策などによって離職を防ぎ、長く働き続けられる環境づくりが行われています。

■医療分野での取り組み

一方の医療分野でも、人材確保と定着に向けたさまざまな施策が実施されています。医師の業務の一部を看護師や薬剤師、医療技術職などに分担する「タスクシフト・タスクシェア」や、看護職の再就業支援、修学資金貸付制度といった取り組みが積極的に進められています。

医師不足や勤務負担の偏りを改善するために地域医療支援体制を強化したり、勤務環境の改善や医療機関同士の連携強化を通じて、医療従事者の負担軽減と離職防止を目指したりする動きも、注目に値するでしょう。

まとめ

超高齢社会は避けることのできない現実です。その中で、持続可能な医療・介護制度を実現するためには、社会の変化を正しく把握し、地域包括ケアシステムの構築や人材不足の解消といった対策を積み重ねていくことが求められるでしょう。

ささえるラボでは、今後も国の制度改革や自治体の取り組み、医療・介護分野におけるITの発展、地域包括ケアの動向などに注目していきます。あわせて、制度の変化や現場の実態、最新情報を分かりやすくお伝えしていくことで、医療・介護現場で働く人たちが安心して超高齢社会に向き合える社会づくりをサポートします。

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