はじめに
■執筆者/専門家
『介護福祉は究極のサービス業』 私たちは、障がいや疾患を持ちながらも、その身を委ねてくださっているご利用者やご家族の想いに対し、人生の総仕上げの瞬間に介入するという、責任と覚悟をもって向き合うことが必要だと感じています。 目の前のご利用者に『生ききって』頂く。 私たち介護職と出会ったことで、より良き人生の総仕上げを迎えて頂ける為のサポートをさせていただく事が、私たちに課せられた使命だと思っています。
「仕事にやりがいを求めすぎて、現実が見えていないのでは?」
■価値観と適した環境
・人として大切にされていると感じられる
・自分の成長を認めてもらえる
現場の視点から見えること
2.Z世代が安心して一歩を踏み出すために必要な考え方
3.事業所や現場が、Z世代と長く働くためにできる工夫
4.ともに成長できる文化の醸成
なぜZ世代に介護業界がおすすめできるのか〜Z世代の特徴と、介護・福祉との親和性
デジタルネイティブとも呼ばれるように、物心ついた頃からインターネットやスマートフォンが身近にあり、情報を「探す」より「選び取る」ことに慣れている世代です。加えて、就職やキャリア形成を考える時期に、コロナ禍や経済不安を経験し、将来に「見通しにくさ」を感じてきた世代でもあります。
そのため、「とりあえず我慢する」「先のことは後で考える」といった価値観よりも、今の環境が自分に合っているか、心身をすり減らさずに続けられるかを重視する傾向があるとされています。
■視点の違う判断基準
また、前述したように、Z世代は早い時期からデジタルに慣れ親しんできたため、情報収集は検索や動画が中心で、長文よりも要点が整理された簡潔な情報を好む傾向があります。加えて、「とりあえず覚えて」「見て学んで」といった指導よりも、理由や背景を含めて説明されることを大切にします。
■介護職との相性
さらに、上下関係よりもフラットな人間関係を好み、命令よりも対話を重視します。これは、チームでケアを考え、多職種で連携する現代の介護現場に欠かせない姿勢ですよね。
■ワークライフバランス
介護・福祉の仕事は、決して派手ではなく楽でもありません。それでも、人生の総仕上げとなる生活を支え、感謝や信頼を直接感じられるのは、大きな意義とやりがいにつながります。利用者の人生に寄り添い、人生そのものに関わるサービスを提供するという意味では、「究極のサービス業」と言えるでしょう。
そして、社会的意義が明確で、誰かの役に立っている実感を得やすい点は、Z世代の価値観と強く重なっていると感じます。
Z世代が安心して一歩を踏み出すために必要な考え方〜Z世代の行動特性と、介護現場の具体例
上の世代が経験してきた「我慢して覚える」「叱られて一人前になる」「見て覚える」という文化は、Z世代にとって必ずしも当たり前ではありません。特に大きいのが、相談できないまま我慢を続けることへの抵抗感だと思っています。
■意見を共有できる環境の大切さ
それを踏まえて、後藤の施設では、必ず毎月実施する1on1で、新人職員の困りごとを丁寧に確認するように努めています。
■行動の理由
例えば、「この記録、毎日書いてね」と言われた新人職員が、「なぜ書く必要があるのですか?」と質問したとします。このときに、「決まりだから」「前からそうしているから」と返されてしまうと、意欲は一気に下がってしまうでしょう。
一方で、「この記録があると夜勤の職員が安心して対応できるよ」「小さな変化に早く気づけて、利用者さんを守れるんだ」と明確な理由を伝えられると、前向きに取り組めるのがZ世代です。
■言語化から始める職場づくり
事業所や現場が、Z世代と長く働くためにできる工夫〜定着を左右する関わり方
■一緒に考える接し方
一方で、「いいところに気づいたね」「一緒に考えてみようか」と声をかけると、「ここにいても大丈夫」と感じてもらえるでしょう。
Z世代は、「一緒に考える」という姿勢をとても大切にします。そのため、人間関係の質が、そのまま定着率につながるとも言えます。これはZ世代と向き合ううえで、欠かせない視点なので、ぜひチームで共有してくださいね。
ともに成長できる文化の醸成〜Z世代が育つ職場の条件
介護現場には、常に「命を預かっている」という緊張感がありますよね。しかし、その緊張感が叱責や萎縮につながってしまうと、確認や相談がしづらくなり、かえって失敗のリスクが高まります。
■学びに変える伝え方
「なぜ起きたのか」「失敗を防ぐ工夫はないか」などを一緒に考え、共有することで、「次はこうしよう」という前向きな姿勢を持てます。また、それによって、失敗が貴重な経験に変わります。言い換えるなら、失敗そのものを成功体験に変えるということです。
失敗を「反省して終わり」にしない関わり方は、Z世代だけでなく、職場全体の仕事の質を高めることにもつながるでしょう。
おわりに
ただし、それは若い世代だけに限った関わり方ではありません。ここまで読んできて気づいた方も多いと思いますが、その3つを実践することで、「どの世代にとっても働きやすい職場」がつくれます。もちろん、後藤の施設でも全職員に対して意識するようにしています。
■視点を変えてよりよい職場へ
それを考えると、変わるべきはZ世代ではなく、私たち育成者側なのかもしれませんね。
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・けあぷろかれっじ 代表
・NPO法人JINZEM 監事
介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士