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もう迷わない!今日から使える看護記録「SOAP」の書き方完全ガイド

もう迷わない!今日から使える看護記録「SOAP」の書き方完全ガイド

SOAPの基本から実践的な書き方までを、具体例とチェックリストでわかりやすく解説。迷いやすいポイントを整理し、誰が読んでも伝わる看護記録の書き方のコツをお伝えします。新人から経験者まで役立つ内容です。【執筆者:ささえるラボ編集部】


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分かりやすい看護記録とは

執筆者

ささえるラボ編集部

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ささえるラボ編集部です。 医療・福祉・介護の仕事にたずさわるみなさまに役立つ情報をお届けします! 「マイナビ医療福祉キャリア」が運営しています。

看護の現場では、患者の状態を正確に把握し、その情報を医療チームに伝えることが欠かせません。その際に広く活用されている看護記録の方式が、「SOAP(ソープ)」 です。

電子カルテが普及し、多職種との情報共有が迅速になった現代では、「誰が読んでも状況と意図がわかる看護記録」が、強く求められています。そうした中、SOAPは患者や利用者の情報をわかりやすく、かつ体系的に整理できる記録法として、多くの医療施設や介護施設で採用されています。

しかし、看護師の中には「S・O・A・Pをどう書き分けるべきか迷う」「判断に自信が持てない」「文章が長くなりすぎる」など、SOAPによる記録に悩みを抱える人も少なくありません。

そこで、本記事では、SOAPの基本的な考え方から、現場でそのまま使える書き方のポイント、NG例、よくある症状に基づく記載例までを詳しく解説します。

SOAPとは?

SOAPは、看護記録を 「Subjective(主観的情報)」「Objective(客観的情報)」「Assessment(評価)」「Plan(計画)」という4つの視点で整理する手法です。この形式を用いることで 患者の問題点や治療・援助のプロセス、今後の治療方針が明確になり、情報の共有も円滑になります。

なお、S・O・A・Pの各項目は、それぞれ「患者の訴え」「観察した事実」「看護師の判断」「今後のケアの方針」を表しています。

SOAPの基本構造
・S…Subjective(主観的情報)=患者の訴え
・O…Objective(客観的情報)=観察した事実
・A…Assessment(評価)=看護師の判断
・P…Plan(計画)=今後のケアの方針

多職種連携を支えるSOAP

電子カルテの普及により、看護記録は医師やリハビリ職といった多職種に共有されるものとなりました。そのため、現在の看護記録には出来事を並べるだけでなく、判断の根拠やケアの意図を明確に示すことが求められています。SOAPはそのニーズに適したフレームワークであり、多職種連携において広く活用されています。

また、SOAPは、看護師自身が「何が問題なのか」「なぜそう判断するのか」「次に何をすべきか」を整理・分析するための枠組みとしても有用です。電子化によって看護記録の入力欄が細分化され、書き方に迷う場面が増えたからこそ、SOAPの基本的な考え方を押さえておくことが、質の高い記録と適切なケアにつながるでしょう。

【実践】SOAPの書き方ポイント(良い例・NG例つき)

ここからは、SOAPの書き方のポイントと、「良い例」「NG例」についてお伝えします。

S:主観的情報(Subjective)

Sは、患者本人が語った症状・不快感・気分などの「主観的情報」を記録する部分です。患者との意思疎通が難しい場合は、家族や介護者から取得した情報もSとして扱います。

<何を記録するか>
痛み、息苦しさ、不安、だるさ、食欲、睡眠、気分など、患者が口にした症状

<書き方のポイント>
・患者の発言をそのまま記載する
・痛み・不安はスケール評価を活用する
・推測表現(「~と思われる」「つらそう」「痛そう」など)は記載しない

<良い例>
・「ズキズキして眠れない。痛みは10段階で7くらい」と話す
・「夜になると不安が強くなる」と訴える

<NG例>
・痛そうにしていた → 患者の言葉ではなく看護師の憶測
・不安がある様子 → 患者の発言を要約しており、実際の言葉が記録されていない


O:客観的情報(Objective)

Oは、看護師が観察・測定した客観的情報を記録する部分です。誰が見ても同じ判断になるように、数字・具体的行動・身体所見を明確に記入します。

<何を記録するか>
バイタルサイン、検査値結果、身体所見、歩行状態、食事量、他職種の記録や
共有された情報など

<書き方のポイント>
・数値・量など、客観的に測れる情報を記載する
・表情や行動は具体的な事実を記載する
・推測表現(「~と思われる」「つらそう」「痛そう」など)は記載しない

<良い例>
・呼吸数 28/分、SpO₂ 90%(room air)
・椅子から立ち上がる際にふらつきがあり、支持が必要

<NG例>
・呼吸が早い気がする → 「気がする」は推測であり客観的情報ではない
・歩行状態に問題あり → 具体性に欠けており、どのように問題なのかがわからない


A:評価(Assessment)

主観的情報と客観的情報をもとに、看護師が行う分析・考察の部分です。単なる状況のまとめではなく、なぜその状態が起きているのか、何が問題なのかを、看護の視点から記入します。

<何を記録するか>
・SとOから導き出した問題点
・問題が生じている原因(身体・心理・環境など)
・現在の状態の評価(改善傾向か悪化傾向かなど)

<書き方のポイント>
・根拠と推論を明確にし、なぜその判断に至ったかを記載する
・診断名は医師の領域なので記載しない
・今後のリスク(脱水・転倒など)についても評価する

<良い例>
・発熱・悪寒・食事摂取量の低下から、感染兆候が強く疑われる
・入院による活動量減少が筋力低下を招き、移動時に支持を要する。
転倒リスクが高い状態である

<NG例>
・インフルエンザの可能性 → 医師の診断領域に踏み込んでいる
・筋力が低下している → Oの事実を述べているだけで、問題やリスクへの判断が示されていない


P:計画(Plan)

Pは、Aで立てた判断に基づき、「誰が・いつ・何を行うか」 を具体的に示す部分です。 実施内容だけでなく、再評価や報告の視点までを含めて記載することが重要です。

<書き方のポイント>
・具体的かつ実行可能な内容にする
・時間軸・頻度を明確にする
・観察項目や報告基準を示す
・Aの内容と論理的につながっているかを確認する

<良い例>
・体位を整え、疼痛スケールを2時間後に再評価する
・1時間後に尿量・皮膚状態を確認し、医師へ報告する

<NG例>
・様子を見る → 具体的な行動や再評価の基準が示されていない
・必要時対応 → 何をもって「必要」と判断するかが示されていない


よくある症状に基づくSOAPの記載イメージ(モデル例)

ここでは、臨床現場でよく見られる症状をもとに、SOAPをどのように整理し、記録につなげていくかの考え方を紹介します。 SOAPの構造や視点を理解するための記載イメージ(モデル例)として参考にしてください。

発熱

発熱

S
「急に寒気がして体がだるい。関節が痛い」と話す。
「食欲があまりない」と訴える。

O
体温 38.8℃、脈拍 104/分、悪寒の訴えと震えあり。鼻汁少量。咳嗽あり。
食事摂取量 40%。歩行は自立だが動作緩慢。

A
発熱・悪寒・関節痛が見られ、感染症が疑われる状態と判断する。
経口摂取量が減少し、脱水リスクが高い。

P
水分摂取を促し、1時間後にバイタル・症状の変化を再評価する。
呼吸器症状に変化(呼吸数増加・SpO₂低下・咳嗽増悪)があれば医師へ報告する。
食事摂取量を経過観察し、次回評価時も50%未満が続く場合は、栄養士への相談を検討する。


疼痛

疼痛

S
「動くと傷が引きつるように痛い。横になっていると少し楽」
「痛みは10段階で6くらい」と話す。

O
術創部に発赤なし。体動時に表情をしかめる。
歩行はゆっくりだが自立。

A
術後疼痛により活動量が低下しており、
NRS6/10の中等度疼痛がADLに影響している状態と判断する。

P
医師の指示に基づき鎮痛薬を投与。30分後に痛みの程度を再評価。
日常動作は可能な範囲で自立を促しつつ、過剰な負担を避ける。


呼吸苦

呼吸苦

S
「息がしづらい」「深く吸えない感じ」と訴える。

O
呼吸数 26/分、SpO₂ 92%(room air)
発話時に息継ぎが必要で、会話が中断する様子を認める。
吸気時に頸部筋の収縮を認める。

A
呼吸数増加とSpO₂低下が見られ、努力呼吸を呈している。
酸素化低下の可能性があり、状態悪化のリスクが高いと判断する。

P
体位調整(ファーラー位)を行い、5分後に呼吸状態とSpO₂を再評価。
SpO₂が改善しない場合、医師に報告。


ADL低下

ADL低下

S
「最近足が弱くなった気がする」「歩くとふらっとする」と話す。

O
歩行10mでふらつきあり。支持が必要。
下肢筋力低下(MMT 3)。

A
筋力低下により歩行が不安定となっており、
転倒リスクが高い状態と判断する。

P
歩行時は見守りを行う。
リハビリ依頼を検討(PTと連携)
転倒リスクの高い場面を評価し、環境調整を実施。


不安の増大

不安の増大

S
「夜になると不安が強くなる」「急に胸がざわざわする」と訴える。

O
入眠困難あり。
消灯後、夜間に病棟内を3回歩行する様子を認める。

A
身体症状への不安により睡眠パターンが乱れており、
生活リズムに影響が出ている状態と判断する。
今後の不眠や精神的負担の増大が懸念される。

P
就寝前の睡眠環境の調整と、不安についての傾聴を行う。
翌朝、睡眠状況と精神症状の変化を医師に報告。
必要時はソーシャルワーカーとも連携。


SOAPをうまく書けないときのチェックリスト

SOAPがうまく書けないときは、以下の8項目をチェックしてみましょう。

1.全体の確認

記録のテーマを一つに絞り、最も優先度の高い問題について集中して書けているか。
→ NOの場合:情報を整理し、優先度の低い内容を削るか別のSOAPに分ける。

2.Sのチェック

患者本人の言葉について言い換えや要約をせず、そのまま記載できているか。
→ NOの場合:患者に再度声をかけ、実際の発言を確認する。

3.Oのチェック

あいまいな表現でなく、数や具体的な行動などの客観的情報として記載できているか。
→ NOの場合:情時間・回数・頻度・量など、数値化できる情報を追加する。

4.SとOの関係性

SとOがつながる記録になっているか。
→ NOの場合:訴えに対応する観察・測定を追加で確認する。

5.Aのチェック

SとOを根拠にした判断になっているか。Oの言い換えや感想で終わっていないか。
→ NOの場合:「なぜそう考えたのか」「何が問題と判断したのか」を言語化する。

6.AとPのつながり

Aを読めば、Pを自然にイメージできる内容になっているか。
→ NOの場合:「だから何をするのか」を意識して書き直す。

7.Pの具体性

誰が・いつ・何をするかが具体的に示され、すぐに実行できるPになっているか。
→ NOの場合:時間と行動を明確にし、予定表に書けるレベルまで具体化する。

8.再評価の視点

実施後に効果を確認するための観察ポイントが、計画の中に含まれているか。
→ NOの場合:いつ・何を見て・どう評価するのかをPに追加する。

電子カルテ時代に意識すべきSOAPの扱い方

ここでは、電子カルテ時代に意識したいSOAPの扱い方について、4つのポイントを紹介します。

1.情報漏洩を防ぐ意識を持つ

電子カルテは、院内のどこからでも情報を共有できる利便性がある一方で、取り扱いを誤ると情報漏洩が起こりやすい側面もあります。

機密情報の漏洩は、世間からの信頼を損なうだけでなく、法的な処罰や損害賠償請求にも発展しかねません。以下の基本的なルールを、日常的に徹底しましょう。

守るべきルール
・離席時はログオフする
・ID・パスワードを第三者に教えない
・データを外部に持ち出さない

2.個人情報の扱いとプライバシーへの配慮

電子カルテは閲覧範囲が広く、医師、看護師をはじめとする多職種が参照します。したがって、患者のプライバシーに十分配慮し、治療や看護に直接必要のない私的な情報は記録に残さないことが重要です。

記録に必要なのは、「治療や看護の判断・実践に関係する情報のみ」だと理解しておきましょう。

記載を避けたいNG例
・「家族と不仲のようだ」
・「同室者とよくトラブルになる」
・「借金問題で悩んでいるとのこと」

3.情報の書き換えに注意を

電子カルテは削除や修正が簡単にできる一方で、すべての操作履歴(ログ)が自動的に記録されるという特徴があります。

そのため、過去の記録を安易に書き換えると、記録の整合性が崩れ、医療安全が損なわれるリスクがあります。後から状況が変わった場合でも、過去の記録を上書き・削除せず、「追記」と記入した上で、現時点の情報を日時と理由がわかる形で記載することが基本です。


<避けるべき行為>
・後から検査結果が判明したことを理由に、当時の情報に基づくAを修正する
・状態が改善したことを理由に、当時記載したSやOの一部を削除する

<望ましい例>
(追記)〇月〇日15:30
血液検査結果判明。CRP低下を確認。
前回のAは当時の情報に基づく判断であり、
現時点では感染症改善傾向と判断する。
(追記)〇月〇日9:00
本日朝より歩行時のふらつき軽減。


4.法的文書としての正確性を保つ

電子カルテは、患者の診療記録であると同時に、医療安全の検証、保険請求の確認、訴訟や調停などの場面で参照される法的文書でもあります。だからこそ、記録には「その場にいなかった第三者が読んでも、状況を正しく再現できる」正確さが求められます。これは、後から検証や説明が求められた際に、医療従事者を守ることにもつながります。

特に重要なのは、事実(O)と判断(A)を明確に分け、時系列を正しく残すことです。


<望ましい例>
O「16:00 歩行時のふらつき増強。廊下で壁に手をつく様子あり」
A「降圧薬内服後より血圧低下傾向あり。副作用の可能性があると判断する」

<避けたいNG例>
O「ふらつきが多く、いつもと違う様子」
A「降圧薬の影響が考えられる」


まとめ

SとOを正確に書き出し、Aで判断を整理し、Pで次の対応につなげていく。この一連の流れが整えば、看護判断の根拠がより明確になり、多職種との連携もスムーズに進むはずです。

それを踏まえるなら、整理された質の高いSOAPは、医療現場全体の信頼性を支える大切な要素といえるでしょう。SOAPに苦手意識がある人は、当記事を参考にしながら、基本的な考え方・書き方を身につけることからはじめてみてください。

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